カテゴリ: 250回〜

起業セミナーは先日、2人の青年たちと
「人生設計」の勉強したとき、
私が誘いかけて開くことになったものです。

「人生設計」のことを二日かけて勉強のあと
私は「この次は商売のことを勉強しませんか」
と青年たちに提案しました。

「商売の話って、具体的にどういうことを
勉強するんですか」
と青年の1人はいぶかしげな顔をして
私の方を見ました。

「会社でたとえば、新しい事業を考えろ
と言われたときとか、あるいは
自分で自分の事業を開きたくなったとき
どうやって新しい事業を考え出していくのかを
勉強しようということですよ」と説明すると、
「あぁ。それなら面白そうですね」
と青年は、にこやかな表情で答えました。

そのあと、青年たちは、実際に
事業を起こした若い女性の話を聞きました。
またひょっとした邱永漢さんが
最近おだしになった『起業の着眼点』
という本を読んでおられるかもしれません。

そうだとしたら、今回どういうことを
勉強しようとするのか、多少、イメージが
膨らんでいるでしょう。

この勉強は、私が43歳の時、ある地方都市で
新規事業を起こすよう命じられたときの
顛末記(てんまつき)をケース・スタディーの
1つとして取り上げることにしています。

自分の新規事業興しの顛末記は
以前に書いたものですが、先日、
あらためて読んでみましたが、
新しい事業を創り出す立場にたっ
たとき、どういうことを考え、
どう行動し、そしてどこで失敗したか、
さらにその失敗からどういうことを学んで、
その次に新しい事業を
生み出すことになったかのプロセスが
手に取るようにわかり、
これから起業に取り組む人たちにとって、
時間の節約になると思いました。

こうした教材をいろいろ準備して
あさてからのセミナーに臨もう
としているところです。
心がけていることは起業の
実際に役に立つセミナーです。

来る6月10日(土)と11日(日)の両日、
東京で「起業」をテーマにしたセミナーをひらきます。

新しいビジネスを開く場合の着眼点や
商売する場合に守るべき原則について
勉強しようとするものです。

組織の一員として過ごすだけで十分だ
と思う人はこういうことを勉強する必要は
ないかもしれません。

でも自分の人生を自分の思い描くままに
演じたいと思う人や、
年をとったけど何かビジネスに
打ち込みたいと思う人は
ビジネスを見つけ出したり、
そのビジネスを軌道に乗せるノウハウを
身につけることが必要です。

私は49歳まで、
大きな会社につとめましたが
その間にやったとこで、
何が一番難しかったかと言えば、
新しい事業をつくり出すことでした。

新しい事業をつくりだすことは
容易ではありません。
私もご多分にもれず、
事業を創り出すことが
出来ず失敗しました。

でも失敗に教えられて
ようやく事業らしい事業を
この世に生み出すことができました。

この経験を通して、
私は、事業を創り出すには
目のつけどころをきちんと押さえ、
その上で考えを深めていくことが
必要であることを実感しました。

また新しい事業を開拓しても、
採算に乗るように運営していくためには
知恵が必要で、これだけは守るといいと
考えられる原則にしたがって行動する
ことが必要です。

今回のセミナーは
この二つのテーマについて
勉強するものです。

セミナーで勉強いただくことを
実地の場で活かしていけば、
活動範囲はぐっと広がり、
この世もより過ごしやすいものになる
と思います。

今日から3日後の開催で、
ご案内が遅れましたが、
ご関心があり、ご都合のつく方は
どうぞご参加ください。

また今回は参加が難しくても
是非勉強したいと思われる方は

邱永漢さんの『株が本命』(昭和63年)をひらくと
『「利食い千人力」より「持続万人力」』という章が
目の中に飛び込んできます。

この章の中で邱さんは
次のようにお書きになっています。
今から約20年前、バブルが崩壊した状況のなかで
お書きになっていることを頭に入れてお読み下さい。

「今後もよく稼ぐ見込みのある業種であれば
『利食い千人力』の諺は無視して、
長期持続をした方がいいのではないか。

途中でうまく立ちまわったつもりでも、
10年たち、20年たってみると、ダウ平均は
何倍にもなっている。

私が香港から東京へ舞い戻った昭和29年には
ダウは千円をめぐる攻防戦を展開中であった。
それが今では大暴落のあととはいえ、
2万2千円台を維持しているのだから、
ザッと計算しても22倍になている。
全銘柄の中には大して値上がりしなかったものもあるから、
良く値上がりした銘柄は50倍にも100倍にもなっている。

上場企業の中で誰が最も儲かったといえば、
株価の上がった会社の大株主であろう。
創業者のまだ健全な会社ならオーナー社長が
一番の金持ちである。

これらのオーナー経営者がなぜ
大金持ちになったかというと、
持ち株を売らずに何回も暴落の波をくぐらせて
耐え抜いてきたからである。

とすれば、うまく売り抜ければ
「利食い千人力」だろうが、
じっと辛抱して大暴落をくぐり抜けてきた人は
「持続万人力」とでもいいたらよいのではなかろうか。
その意味では、うまく売り抜けられなかったからといて
地団駄を踏んで悔しがることはない。
何回となく、火と水の中をくぐらせば、
もっと強くなるのが株なのである。」(『株が本命』)

「株が上がったら売り抜けよう」
というのは、誰もが本能として持っている
投資法だと思いますが、本能によらない
投資法もあるのだということを知ることは、
とかく固定化しがちな頭をもみほぐしてくれる
効用があると思います。

インターネットでコラムを紹介すると
読まれた方から直ちに反応が返ってきて
参考になると邱永漢さんがおっしゃっていました。

昨日、私は『株の目 事業の目』に書かれていた
邱さんの株式投資の基本姿勢についての
提言を紹介しましたが、
セミナー仲間の中での掲示板に
次のような書き込みがなされました。

「『株は財産、じっと持っているもの』・・・ですか!
うーん!難しい課題です?(中略)
すぐに『なるほど』とはいきそうにありません?
コラムを読んでおられる他の方々は、如何でしょうか?」

この書き込みをなさった方は
私が引用した本をちゃんと再読された上で、
書き込みをされています。
こうした正面からの問いかけに接すると、
私も引用は果たして適切であったかのかと
自らに問いかけ、”邱永漢株式投資思想”
探求の旅に出かけたくなります。

思わず、本棚から、
『株の本命』を取り出しました。
この本は引用した『株の目事業の目』
の2年後の昭和63年に出版された著作ですが、
ページをくると
『「利食い千人力」より「持続万人力」』
という章が目に入ってきました。

「利食い千人力」というのは
「いくら高い値がついても
現金に換えなければ、
儲けたことにならない。
現金に換えて儲けを確認することは
千人力に匹敵するというほどの意味である」と
邱さんは文中で解説されています。

この「利食い千人力」より
「持続千人力」が効果が大きいと
邱さんはおっしゃっています。

お手元に『株が本命』をお持ちの方、
お手数ですが、本を手にとって
お目をお通しください。
この章の中での邱さんの主張は
明日紹介させていただきます。

今から約20年前のことですが、
邱永漢さんの目についたことの1つが
日本国内で不動産が個人から
法人の手に移る動きでした。

相続税を払うため相続人は土地を処分します。
その都度、不動産は個人の手から
法人の所有に移るわけです
そしてその分、法人の財産がふくれあがります。

個人が法人のそうした財産に対して
分け前を預かろうと思えば、株という形で
持つほかありません。

ところが、邱さんの目に映る
個人投資家の株に対する態度は、
株を利ザヤ稼ぎの手段ととらえ
「上がったら早く売り抜けよう」という姿勢です。
そうした態度に対して邱さんは
株とのつきあい方の切り替えを提言します。

「こうした時代になっても、
なお株を財産として認知せず、
買値と売値の利ザヤを稼ぐ投機の手段に
過ぎないと考えるのは
少し時代遅れといえないであろうか。

気がついてみたら、あの株も持っていた。
この株も持っていたというのは、
株があなたの財産の一部を
形成するようになったということである。

もしそうだとしたら、
財産として株を再評価し、
財産として持つなら
どんな株を持つのが正しいのか、
改めて考え直してみる
必要があるのではないだろうか。」
(『株の目 事業の目』昭和61年)

そして提言は次のように続きます。
「財産として持つなら、どんなに高くなっても
まだまだ高くなることが期待できる銘柄に限る。
万一そういう評価に耐えられない銘柄であれば
それを長期にふさわしい銘柄に
入れ替えるのが正しいであろう。

利ザヤ稼ぎで株を持つ姿勢を
財産として株を持つ姿勢に変えただけで、
あなたの株式市場を見る目に
コペルニクス的転回が
起こることは確実である」
(同上)

以上は20年前の
日本社会の中で動向を見ての
株式投資の姿勢についての
邱さんの提言ですが、
いま、中国株を扱う場合にも
指針にすると良い考えでは
ないかと考えて紹介しました。

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