カテゴリ: 200回〜

税金の本の紹介を続けます。
邱永漢さんは昭和40年に『ゼイキン報告』を
また昭和44年に『節税の実際』を執筆し、
この二つの本は、それぞれ再販を重ねますが
昭和63年から平成元年にかけ、『NEXT』誌に
税金をテーマとする評論を連載し、平成元年に
『ゼイキン息災学』を出版しました。

この本は邱さんの三度目の全集
邱永漢ベストシリーズ50冊の一冊として
平成5年に再販されますが、まえがきで
邱さんはこの本のことを紹介しています。

「1929年の大恐慌以後、国民経済に国家財政の
寄与する比重が年とともにふえる傾向を示し、
『大きな政府』とそれを維持するための重税が
先進国に住む人々に共通の悩みとなった。
この病歴にメスを入れたのがレーガンであり、
アメリカが減税政策の先端を切ったおかげで、
イギリスをはじめ、日本でさえも減税に踏み切らざるを
得なくなった。

しかし、それでも日本の国税50%、
地方税15%の最高税率は世界のトップを行く水準にあり、
株の配当金や利子課税にまで課税をし、
その上消費税まで課税をし、
そのうえ消費税まで導入したとなると、
金持ちになればなるだけ日本人は重税の泥沼から
足が抜けなくなったようなものである。

そうした桎梏から逃れようと思えば、
積極的に税法を研究し、
合法的な節税を実行に移すよりほかない。
国が法人優遇の税制を続ければ、
トウちゃんが社長で
カアちゃんがナンニモ専務になるよりほかなくなるし、
本来、個人の財産になるべき性質の収入も会社の
ポケットにかくしておくよりほかなくなる。

それでも駄目なら海外に引越すか、
事業を国際化することが次の手段となる。
生き残ろうとする本能が世の中の仕組みを
ドンドン変えて行くのである。

そうした世の中の新しい動きと、
無病息災を願う人々の節税の知恵について、
私の知っている限りを述べたのが本書である。
『節税もお金儲けのうち』という意味でも
この本はぜひ読んでいただきたい本の一冊である」
(『ゼイキン息災学』ベストシリーズ版。平成5年)

ここに紹介されているように、
この『ゼイキン息災学』には節税の知恵として
「家族会社」をつくることから、海外に移住することや
事業を国際化するまで多様な対抗策が提案されています。

邱永漢さんの手になる最初の税金の本は
昭和41年に出版された『ゼイキン報告』で、
この年、日本経済新聞に連載されたものです。

連載が始まる前、税金をテーマにした連載は
受けないのではないかと心配されましたが、
連載が始まると、よく読まれました。

「株」の分野ですっかり有名になった
邱さんは「税金」の分野でも
”権威者”と扱われるようになり、
この本の前書きで次のようにお書きになっています。

「私の『ゼイキン報告』は
『できることなら払わないですませたい』
という一般納税者の気持ちを堅持したので、
自分でいうのもおかしいが、
税金に悩まされている多くの人々の共感を呼ぶことができた。

そのおつりとして私は
各地で税金の講演会に出され、
あたかも税制の権威であるかのごとく扱われはじめたが
『権威がいかにいい加減なものであるか』を
また再び身をもって実証することになった。

正直な話、私がここに書いた報告は
シロウトでも勉強する気になったら、
この程度のことはできますという
見本のようなものであって、
『世間の金もうけ』に従事している人々の
努力にくらべても、そんなに難しいことではない。

まして、税金に関する知識があなたの
むだな支出をくいとめる有力なブレーキであってみれば、
たとえ『いやなこと』『むずかしいこと』
『げんなりするほど退屈なこと』であっても、
これも、『金もうけのうち』と思いあきらめて
精を出すべきではないだろうかと、思うのである」
(『ゼイキン報告』)

節税も金もうけのうちだから、
何でも税理士に任せるのでなく、
税金についての基本的な知識は
自分で勉強して身につけましょう
というのが邱さんの提言で、この主張は
今日まで続いています。

香港で相続税が全廃されることになりました。
この話をはじめて知ったのは
昨年暮,邱永漢さんのパーティーに出席し
邱さんのスピーチを聞いてのことでした。

税金というものはどこに住んでいる人も
払いたくないと思っているものでしょうから
相続税が全廃されることになると、
アジアを中心に世界中のお金が
香港に集まり、お金の流れに大きな変化が
起こるのでは変わるのではないかと思い、
親しい人たちとの意見交換の場である
“掲示板”にこのことを書きました。

私のその記述に呼応したのは、
以前、私のセミナーに参加された友人で
「先祖伝来の土地があり、
相続税は最も頭の痛い問題です。
今回の香港での相続税撤廃の恩恵を
日本に居ながら受けることのできる方法が
あればご教授ください。」
と書かれました。

私が知っている人で、先祖からの受けた
財産にかかる相続税の支払いを免れるため、
生活の本拠地を日本から香港に移し、
生活の大半を香港で送り、日本にはまれに帰ってくるだけ
という形にした人がいます。

今回の香港での税制改革の恩恵を
享受しようと思えば、このように
本拠地を日本から香港に移す必要ではなかと思いました。
ただ深く調べたことはありませんので
よく勉強してから答えますと返事しました。

この友人の一言で分かることですが、
財産を持たない人は財産を持っている人を
うらやましがりますが、財産を持つ人は、
そのことが大きな悩みのタネになり
心の晴れない日々を送っておられることがわかります。

こういう人にいまアドバイスできるとしたら
邱さんが税金について書かれた文章を
お読みになることです。

税金の話といえば、難しそうな法律や
無味乾燥な税金算出の方式が頭に浮かび、
出来ることなら近寄りたくない、
タッチしたくないという気持ちが走ります。
ところが邱さんの手になる税金の話は
面白くて、読み出したら、途中で
やめられなくなるのです。

どうして面白いのかといいますと、
税金は納めたくないという
納税者の立場から書かれているからです。

一昨日のマンションの見て歩きには
私よるも早い時期に邱永漢さんの本を読み、
渋谷や新宿で定期収入の入る不動産を
買っておられる方も参加していただきました。

見て回る間に、その方がお持ちになっておらる
不動産にも立ち寄り、おかげで
交通至便な場所にあるマンションは
空室になることが少ないという事例に
より多く接していただくことになりました。

さて、名古屋から参加いただいた友人も
また仙台から参加いただいた友人も
今後ご自身の仕儀とをどうするかという
課題をお持ちで、私はそのことを
良く承知しています。

そのため、マンションを見て歩き
不動産投資のことを説明する一方、
これからの仕事の選択のことも話題にし、
このことと調和をとりながら
理財対策を講じていく必要がある
といったことを話しました。

不動産投資の勉強をするときに
仕事の選択の話を話題にしたりするのも
おせっかいな話ですが、仕事の開拓も
理財対策もうまく進めてほしいという
気持ちからのことで、私のセミナーの
1つの特徴かとも思いました。

それにしても歩け歩けで、
最後に訪ねた横浜の
山下公園の傍に立つビルの
レストランで海を見ながら
一日のまとめをし、そのあと
関内駅についたときには、
思わず駅の椅子にどっかり
腰をおろしてしまいました。

一日で一ヶ月分の歩行を
消化したような感じになりましたが
心身とも充実感に満ちた一日でした。

昨日、私としては4回目になりますが、
投資向きのマンションの見て歩きを行いました。
前々から書いていますように今回の見て歩きには
名古屋や仙台からの友人に参加いただきました。

これらの友人がマンションを見て回ったあと、
東京の不動産への興味や関心が高まり、
いろいろ聞いてみたいことが出たり
一歩踏み込んで、自分に見合う不動産を
手に入れたいと思うかもしれません。

そうした時、質問に答えてくれたり
自分の意向にそって不動産を探してくれる人がいれば
それに越したことはないと思いました。

そこで今回は、見て歩きを始める前に
原宿にオフィスを置く不動産仲介会社の
社長さんに出ていただき、
名刺交換をしていただきました。

不動産仲介の会社の社長さんと言うと、
中年の男性を想像されるかも知れませんが、
同席いただいた社長さんは29歳の女性です。

私がどうしてそういう人を知っているかと言いますと、
以前、マンション管理の仕事をしている友人に
「不動産仲介の仕事をお願いできる人が居ませんか」
と聞いた時、「戸田さん。信頼できる素敵な女性がいます。
不動産販売会社のセールス担当として活躍していたのでが
成績が抜群で、最近独立されたようです。
うちの息子がまだ結婚していなかったら、
ぜひ嫁になってほしいとお願いする女性です」
と言われたのです。

そこで、その人のホームページを開いたら、
渋谷、青山、原宿方面の不動産に的を絞って
仕事をしていることがわかりました。
渋谷、青山、原宿が東京でも人気の高い
ゾーンであることはよく知られてることです。

そうしたことから、私は会って話をする前から
良い印象を持ち、不動産仲介の仕事をお願い
するようになりました。

これまでのセミナーに
参加していただいた人たちには
口頭で紹介してきましたが
今回は遠来の友人に
参加いただいているということで
最初のところで同席いただき、
参加いただいた友人たちに
挨拶をしていただきました。

不動産は高額の買い物で、
慎重な取り組みが必要です。
自分が信頼していているパートナーを友人たちに紹介し、
喜んでいただいたのではないかと思っています。

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