カテゴリ: 150回〜

「先見力を高めるにはどうしたらいいか」
というテーマで文章を書き続けてきましたが、
常々注目している人が、このことをテーマにして
どうことを書いているか知りたいと思い、
本棚から大前研一さんの『考える技術』
という本を取り出しました。

この本のなかで大前さんが
「先見力」について書いていたように
思ったのですが、記憶は正しかったです。

大前さんは

「携帯機器が5年後にどうなっているか
考えてください」

「今から5年以内に新たに家庭内において
普及しているIT機器は
どんなものだと思いますか?」

といった問題を提起し、その問題について
ご自分の考えを披瀝しています。

そして先を読むということにして
成功するための必要な要件について
次のように書いています。

(1)事業領域が明確に定義されている。

(2)現状の分析から将来の方向を推察し、
因果関係について簡潔な論旨の仮説を立てられている。

(3)自分のとるべき方向について
いくつか可能な選択肢があっても、
どれか1つに集中している。

(4)基本の仮定を忘れずに、
状況がすべて変化した場合を除いて
原則から外れない。

という具合で、書かれていることは
なかなか有益です。
「先を読む力を高めたい」、
「新規事業のヒントをみつけたい」
と思っておられる方には
お奨めの本です。

その町で成功する人は、
その町で住んできた人ではなく
よそから来た人であるということであれば、
いま中国各地で活動している日本人は
前途有望ということになるのではないでしょうか。

私には、いま大連や北京や上海やシンセンで
活動している友人がいますが、彼らの多くは、
大きく発展する中国で活路を見出すために、
中国に渡りました。

友人の多くは最近、中国に渡ったばかりなので
今は見るもの、聞くこと、体験すること
みな初めてということばかりかと思います。

でも友人たちは、その土地にずっと住んでいる
中国の人たちが知らないことを知っています。
中国に来る前にずっと生活していた日本での生活です。

ですから中国での生活に慣れるに従い、
日本人での生活体験と照らしあわせて
中国での生活を観察するようになり、
生活のあらゆる面で、彼我の間に
大きな違いがあることに気づくのではないでしょうか。

もしそこから、日本と中国の間にある生活スタイルや
生活レベルの違いに気づき、そこに
埋めることのできるスキマを見つけたら
自分が活躍できる舞台ができ、
ひょっとしたらそこから“成功者”になる道が
ひらけていくかもしれません。

といった考えが浮かんできたのですか、
中国でご活躍の皆さん、いかがでしょうか。

先見力を高めるには
どうしたらいいかという話を続けていたら
いつの間にか中国で活動する人たちの
今後にふれる話になってしまいました。

よそ者の目を持つことが先を読むことになると
書きましたが、「その土地で成功した人を見ると、
みな、その土地の人ではない」と邱永漢さんは
著作でしばしば書いておられます。

邱さんは講演のため、各地に出かけられましたが
行く先々で、いま成功している人について聞いたら、
みな別の場所から移ってきた人だとのことで、
そうした事実から、
「土地、土地で成功する人はみな、よそ者」
とおっしゃるようになりました。
なぜ成功するのが、
その土地の人でなく、よそ者なのでしょうか。

中国のことわざに、
「魚には水が見えない」
というの言葉があります。
魚にとっては、水は生まれたときから
自分の周囲にあり、あまりに自分に
密着した存在なので、魚は終生、
水の存在に気づくことがない
と言う意味です。

それと同じことですが、昔から
1つの土地に住んでいる人は
その土地にどっぷりつかり、
その土地のことなら何から何まで
分かっているつもりですが、
比較対照する土地を知らないので
その土地の特徴や、そこに住んでいる人たちに
潜在している新しいニーズに気づくとがありません。

それに対して、よそから来た人は、
その土地を他の土地と比較して見ますので、
その土地に欠けているものや
新しく起こせる新しいニーズなどを
見つけることができます。

そしてよそから来た人たちは
その土地でビジネスのタネを見つけ、
それに取り組むことで、
新しい成功者となる道が広がるのです。

執筆者:戸田敦也(2006年02月27日)

前回、昭和40年代の半ば、
邱さんがデパートの隣にあるマンションを
手に入れた文章を読み、
好奇心に駆られて見に行ったことが
のちに、福岡で新規事業を考える時
役に立ったと書きました。

地方は地方なりに
人通りのあるところで
お年寄り向けの住まいを整えたら
迎えられのではないかと考え、
事業化のプランをたてました。

しかし、私のプランは
一緒に机を並べている人から
猛反対を受けました。
そんなマンションをつくっても
利用する人はいないと言わたのです。

その頃、福岡で
お年寄り向けの建物と言えば
山のてっぺんとか、海岸の傍にあり、
そういう現実から見たら、
私の考えは飛び離れていて、
受け入れられるものでないと
見られたのです。

でも、実際には私のプランを
受け入れてくれる人がいて、
この事業はうまく走り出しました。

どうして、このプランは
うまく進行したのでしょうか。
私は福岡の人たちか見ると
よそ者で、地元で住んでいる
人たちには考えにくいけど、
潜在しているニーズにマッチするものを
形にしたからではないかと考えます。

たまたま、東京の賑やかな
場所にあるマンションを見ていて、
こういう所で生活したら年をとるのを
忘れるかもしれないと思い、これは
誰の心にも共通する心理ではないかと
いう体験をしていただけのことです。

その体験が東京とは異なる場所で、
先見性を発揮し、新しいビジネスのタネに
なったのです。
よそ者の目を持てば先が読めると、
言ってもいいように思います。

最近のことですが、定期収入の入る
不動産に関心を持つ人たちを連れて
私が4半世紀に前に投資したマンションを
見て歩いています。

不動産選びのもっとも重要な着眼は
よく言われるようにロケーションです。
たまたま昔、私が選んだマンションは
ロケーションのいい場所でしたので、
おかげで、借り手が出ても
すぐに新しいテナントが入り、
いつもどなたかに利用してもらっています。

これは貴重な体験であると思い、
これから不動産を手に入れようと思う人たちの
参考になるのではないかと思い、
道案内をしているわけです。

その際、邱さんが昭和40年代の半ば頃
「年をとったらデパートの隣に住もう」といって
手に入れられた百貨店に隣接する
マンションも訪ねることにしています。

このマンションを私が始めて訪ねたのは、
邱さんがそのマンションを買った体験を
お書きになった文章を読んだ直後のことで、
全くの好奇心にからでした。

ロケーションが良すぎるくらいに
良い所にあるマンションで、
ここいうところに住めば、
いつもにぎやかで、年をとるのを
忘れるだろうと思いました。

実はこのマンションを見ていたことが
後日、福岡で新規事業を考える
立場になったとき大きな力になりました。

「年をとっても、人通りのある所で
生活すれば年をとることを忘れる」
というコンセプトが浮かび、
その考え方で、終身介護制のマンションを
建てたところ、予想外にヒットしたのです。

好奇心を持ってあろこれ見て回っておくと、
思わぬときに、思わぬところで
力になってくれるのです。

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