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最近日本の会社がベトナムで事業を展開する話が

続々発表されています。

なかでも目を引いたのはサッポロビール・グループが

ベトナムに拠点工場の建設を始めたとの発表です。

 

サッポロ・ホールディグスのニュース・リリースを

読みましょう。

「関係会社であるサッポロ・ベトナム・リミテッドは、

2010年7月から建設を進めていた

サッポロベトナム・ロンアン工場を

11月24日(木)に竣工します。

日本のビールメーカーとして、

ベトナムでのビール工場建設は初めてとなり、

サッポログループにとっても、初めての海外での建設です。

 

今後、当工場では国際戦略商品である

『サッポロ プレミアム』の製造を開始し、

ホーチミン市内を中心としたマーケティング展開に着手します。

サッポログループは、2016年をゴールとした

『新経営構想』のローリングプラン

『グループ経営計画2011-2012』において、

本年から2年間を成長軌道確立の期間に位置付けています。

国際事業では高価格帯の
『サッポロ プレミアム』ブランドを

軸としたプレミアム戦略で、

北米、アジア、オセアニアを中心とした

環太平洋エリアでの事業拡大に取り組んでいきます。

今回の工場竣工により、

日本、カナダ、ベトナムに自社工場を確保することで

強固なマーケティング拠点を構築、

グループが強みを持つ北米、アジアにおいて

強力に事業拡大を図っていきます。

東南アジアの戦略では、

ベトナムを『サッポロ プレミアム』販売拡大のための

橋頭堡と位置付け、地の利を最大限に活かしながら

アジア周辺諸国へも進出していく計画です。

それに伴い、ロンアン工場では、
順次生産能力の増強を図り、

2019年に15万KLの生産能力を実現させることを目指します。

サッポロインターナショナルは、

環太平洋エリアの三拠点を中心に

『サッポロ プレミアム』のさらなる

グローバル化を目指して取り組んでいきます。」

このニュース、NHKも取り上げたので

ご存知の方も多いと思います。

ベトナムの今後の成長、発展を視野に入れた

取組みであることが私達にもよくわかります。

 

11月2日にホーチミンから帰ってきて

1ヶ月の年月がたちました。

 

私は日本人ですから、

日本の将来に関心を持っています。

 

と同時に私たちの行動範囲は

地球規模に広がっていると考えていて、

中でもお金も人が集まっているアジア、

そのなかでも、とくにこれから

飛躍的に成長を遂げるだろうと思う

ベトナムの将来に期待を寄せています。

 

個人がベトナムへの期待を

具体的に形で表すとすると、

ベトナムの証券市場に上場している会社の株を

手にいれることです。

 

そんな私にとって興味深いことは

日本企業のベトナム進出についての

記事をしばしば目にすることです。

 

その記事の一つは

新日鉄のグループ企業の一つである

日鉄住金鋼板(株)と伊藤忠丸紅鉄鋼(株)が

ベトナム/ハノイでカラー鋼板製造会社を

10月25日、発表したことです。

 

ニュース・リリースを見ましょう。

 

「日鉄住金鋼板と伊藤忠丸紅鉄鋼は、

このたびベトナムにおいて、現地パートナー2社との合弁により 、

新たにカラー鋼板製造会社を設立致しました。

急激な経済成長を遂げるアジア地域の中で、

ベトナムは先進各国の ODA 実行や

民間外資企業の進出を受け、大きな発展を遂げています。

 

また日本政府はベトナムとの経済協力を推進しており、

将来にわたる日系企業各社の積極的な進出も期待されております。

 

このような中、このたび新会社を設立した

ハノイ地区を中心に、

一般住宅用および相次ぐ外資企業の進出による

産業・商業用の建設鋼材需要は今後拡大し、

建材用カラー鋼板、とりわけ高品質のカラー鋼板の需要も

増加していくものと見込まれます。」

 

私の見るところ、

日本メーカーのベトナム進出のなかで

鉄鋼会社の進出はかなり遅いものですが、

新日鉄も進出を決めたことで、今後、

出遅れていた会社のベトナム進出に

拍車がかかるのでないかと思います。

 

10月31日と11月1日、

私たちはベトナムのホーチミン市場に

上場している5つの会社を訪問し、

さらに一つの不動産会社の施設を見学しました。

 

終わったのは18時です。

一連の視察行動をともにした4人で、

10月30日の昼食に訪れた

サイゴン・ハウスを再訪し、

メニューを見て、食べたいものを

注文しました。

 

運ばれてくる食事をいただきながら

互いの話が行くのは

訪れた会社についての感想です。

 

今回は欲張って5つの会社を

訪れたのですが、互いにそれぞれの

会社にどういう印象を持ったのかを

互いに披瀝しあうことになりました。

 

私など、どちらかといういうと

ベトナムの会社を良いように

良いように見ようという傾向があります。

 

それに対して、各社での説明を

冷静、客観的に見る人もいて、

「やっぱりそういう見方をすべきなのですかね」

と感じることがたくさんありました。

 

十人十色です。

一つの会社を訪れ、同じ話を聞いても

その解釈は聞く人によって微妙に異なります。

 

その解釈如何が、

どの会社の株を買うか、

どの会社の株は買わないかに

直結しますので、お互い、真剣にならざるをえません。

 

あっと気がついたら、空港行きのバスが

迎えにくる時間になりました。

 

源氏物語に「雨夜の品定め」というのがあり、

男性が会った女性の品評を楽しむのですが、

私たちはホーチミン市で秋の夕べ、

訪れた会社での説明内容を吟味しあい

五つの会社の評価に我を忘れました。

 

 

11月1日の最後の作業は

ビンコム不動産(VIC)のビンコムセンターを

見学することでした。

 

ビンコムセンターは

ホーチミン市の中心部の

「ゴールデン・サイツ」と呼ばれる

一等地に立つ商業・住宅・オフィスの

複合施設です。

 

8月のホーチミン・セミナーの時も

このセンターを見ましたので、

私としては2回目になります。

 

ビンコムセンターの商業施設には

アルマーニュが店を出し、これが

話題になっているとのことで、

この店を訪ねました。

 

姫路市から参加したMさん(男性)が、

背広を試着して、値段を聞いたところ、

日本円にして11万円程度とのことで、

日本国内に出ている店と同じくらいの値段で、

ベトナムだから安いと言うことはない

ようだとの感触を得たようでした。

 

今回も前回と同様、訪問者が興味を

持って見たのは、住居施設(マンション)です。

一室あたり1億2千万円のマンションの部屋が

50室設置され、分譲に出されたとのことで

どのくらい分譲(売却)されたかと聞くと

95%はすでに分譲されているとのことでした。

 

あわせて、購入した人たちのうちで

ベトナム人の割合はどの位かと聞くと

80%だとのことで、このうちの何割かは

外国人に賃貸に出しているとのことでした。

 

不動産は一にも二にもロケーションと

言われますが、行く度に感じるのは

やっぱり、ビンコムセンターは

ホーチミン市内の最高の場所に
立っているとの感想でした。

 

ペトロベトナム運輸(PVT)のあとに訪れたのは

サコム開発投資(SAM)という会社です。

 

サコム開発投資は以前は

サコム・ケーブルという名前で

リー冷蔵庫とともにベトナムの証券市場に

上場した会社です。

 

この会社もご多聞にもれず、

不動産投資にも手を出し、

いつの間にか、社名も

サコム開発投資とう名前になりました。

 

ですが、ベトナムに行き、

電柱と電柱の間に目をやると、

電線ケーブルがたわわに引かれた光景を目にします。

 

そういう意味からも、

電線を作る仕事には需要が多く、

工業化の先端を走る仕事ではないかと

思われるのですが、

この仕事と不動産投資のバランスが

どうなっているのかを知ろうというのが

今回の訪問です。

 

この会社でも

社長さんが直々に応対してくれ、

数多いプレゼンテーション資料の中から

伝えたい資料をピックアップして

社長さんが息つく間もない調子で説明してくれました。

 

この説明のうち、

ケーブル生産についての説明が4分の1

残りの4分の3が不動産開発についてのものでした。

 

説明を受けてわかったことは

ケーブル生産で、大変な利益を挙げてきたこと、

そこで稼いだ収益の多くを不動産開発に注いだこと、

その不動産はお金持ち向けの豪華なものあるいは

レジャー的要素が高いもものが多く

果たしてこれらを利用する人がいるのだろうかと

首を傾けざるを得ないものが多い、

ということでした。

 

「サコム開発投資の本業は何ですか」

との私の質問に対し、社長から返ってきたのは

「ケーブル生産と不動産開発」という答えでした。

 

この点、リー冷蔵庫で同じ質問をしたとき

「当社の本業はあくまで冷蔵庫の生産」

という答えが返ってきたのと対照的で、

サコム開発投資は不動産開発の仕事が

二本柱の一つになっていることを強く感じました。

 

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