カテゴリ: 1750回~

日下公人さんが著作『個性を以って貴しとす』

で書いているロビンソン・クルーソーの孤島での
生活を支えている「中流」の生活態度について
述べる文章を引用させていただきます。

「中流の生活態度とは、要約すると

次のようにならないだろうか。


第一は『合理的で決して僥倖(ぎょうこう・思いがけない幸せ)

を当てにしない』ことである。賭けが好きなのは、

下流と上流の特徴である。


第二は『計画的に物事を進める』という特徴が挙げられる。

上流であれば、有能な部下が持ってきたスケジュールどおりに

生活すれば毎日が過ぎていくし、下流であれば

上の命令を守っていれば給料がもらえる。

ところが中流は自分で仕事をつくり出し、

自分の能力と相談して人生を歩んでいかなければならない。

自己管理能力の有無は、中流の重要な要件である。

 

第三は『経済的な生活を好む』ということだ。

クルーソーは孤島に漂着するや直ちに生活の

基盤づくりに着手するのであって、決して

救出船の到来を待って神に祈るとか、
過去の生活を悔いて、失意の日々を

送るなどには貴重な時間を費やさない。

 

第四には、『実践的な行動力に富む』ことが挙げられる。

上流は抽象的な観念の操作に卓越しているが、
知識や技術を駆使して行動的に動くことには

得意でないし、やりたがらない。

一方、下流は強制されればよく働くが、

本人の意思で勤勉であることは稀だ。

自発的に行動し、知識や技術の開発と摂取に

努力した人が十六世紀、十七世紀の下流階級から

抜け出して十九世紀の中産階級となり、

やがて二十世紀には上流と目されるようになった。」

 

さて、この文章に照らしてあなたの生活態度は
中流ですか、はたまた上流ですか、下流ですか?

 

日下さんは上の文章のあとに
次のように続けています。

 

「以上のように、クルーソー時代の中流階級は

『自分の意思で仕事をつくり出し、勤勉である』ことを

誇りとしてきたが、『自分は中流』だと答える

現代のサラリーマンの多くは、『自ら仕事をつくり出す』

という大切な側面を忘れて『勤勉で多忙である』

という側面にのみ着目してそう答えている」

 

たいへん大事なことを指摘されています。

心当たりのある人はこの言葉を
よき刺激剤にするといいですね。

日下公人さんが『個性を以って貴しとす』という

著作で書いているロビンソン・クルーソーの

孤島での生活についての記述の続きを

引用をつづけさせていただきます。

「孤島に漂流した彼は、

囲い込み地をつくり(エンクロージャー)、
そこで山羊の飼育や小麦の栽培を行う(計画的拡大再生産)。

また住宅と仕事場の建築工事をし(技術)、

船から持ってきた火薬を湿らぬように方々へ貯蓄する(保険)。

 

さらに午前と午後のスケジュールを決めて労働し(計画的時間配分)、

暦を作って何月何日かを知ろうとした(長期計画)。

 

そして余裕ができると島の中を探検して楽しんだ(レジャーと資源開発)。

特に驚くべきことは、つけていた暦で漂流生活の一周年が

到来したことを知ったとき、彼は一年間のバランスシートと

損益計算書をつくってそれを眺め(経営)、

反省したり感謝したりしている(精神生活)。

 

たった一人になってもこれだけのことが

全部自分でできるのが、当時のイギリスの

『中流』というものであり、この中流が世界最初に

発生したからこそ、そのときから100年後に

イギリスは世界一の大国となったのである。

 

先に挙げたクルーソーの父親の言葉の中に

『われわれがイギリスでしているようなこの中流の生活』

とあるが、父親が礼賛したイギリス中流階級の生きは

『人に頼らず計画的に生きていける』という

クルーソーの孤島での生活と同じ思想に

立脚していることを指摘しておきたい。」

 

この文章は孤島におけるロビンソン・クルーソーの

生活態度のなかに織り込まれている

「中流」の生き方を具体的に描写しています。

 

この文章を照らして自分の生き方を眺めてみたら

自分に「中流の生活」が身についているかどうかを

確かめることができ、有益だと思います。

東京の収入向き不動産への投資を
勧める文章を書いている間に、
私はなぜか以前、日下公人さんの
『個性を以って貴しとす』という本で教えていただいた
「ロビンソン・クルーソー物語にみる『中流』の精神」

のことを思い出しました。

「ロビンソン・クルーソー物語」というのは、
皆さんが小さい頃に絵本や雑誌で
ご覧になられた物語のことです。
さっそく、日下さんの本を開くと

次のように書かれています。

「西洋経済史の権威である大塚久雄氏は、

ロビンソン・クルーソーの生き方は、当時の

イギリス社会における中流階級の姿を表したものである、

という示唆に富んだ研究を行っているが、

クルーソーの話を通して私なりに本来的意味における

『中流の定義』を行ってみたい。

 

小説の中のロビンソン・クルーソーは最初、
海外に雄飛してブラジルで奴隷を使い、

手広く農園を経営して大儲けするが、

この生き方を父親が心配して次のように言う。


『奴隷を使って大儲けするようなことはやめなさい。

必ず報いがくる。われわれがイギリスでしているような、

この中流の生活を続けることが一番の幸福ではないか。

世の中で最も幸福なのは上流ではない。

無論、日々の糧にも困る最下層の人々でもない。

中流の身分(middle station of life)こそが
世の中で一番幸福なのだ。

労働階級のようにみじめだったり、
骨折りや苦しみにさらされるというわけでなく、

また上流社会のように誇りや贅沢や野心や

他人を羨むことで苦労することもない。

 

この暮らしがどんなに幸福であるかは、
他の階級の暮らしにかしづいてくれる

小間使いのようなものなのだ』

だが、クルーソーは父親の忠告を無視して

海外雄飛をつづけていたが、とうとう難破して

無人島に漂着し、やむなく自由自足の

生活をはじめねばならなくなる」
(日下公人著『個性を以って貴しとす』)

 

この話の続きは次回に紹介します。

 

ちなみに、大塚久雄氏とは東大経済学部で
「西洋経済史講座」を担当されていた大先生で、
邱永漢さんの学生時代の話(わが青春の台湾・香港)
の中にも出てきます。

私が大学で選んだゼミの教官は
 この大塚先生の愛弟子である関口尚志先生で、
 関口先生は大塚先生ご逝去のあと
その
学問について次のサイトで
 「大塚久雄の人と学問」と題して
講話されています。

http://www.lib.fukushima-u.ac.jp/ootsuka-koen/se-koen1.htm

去る731日、都心部の便利の良い場所に

ある便利のいいマンションを手に入れた友人たちと
他の友人たちが買ったマンションも含め、
原宿、南青山、恵比寿の順でそれらを

見て歩きました。

 

そして、いま原宿には
台湾、韓国、中国の若者も集まっているとか、
中国の人たちが東京の不動産を買う動きが
あることなどが話題になりました。

 

実際に歩いてみて、やっぱり

東京の街は清潔で綺麗ですから、

東京の不動産を手に入れたいと思う

中国人の心情も理解できると思いました。

 

だから、中国人に東京のマンションを

紹介するビジネスも面白いと思いましたが、
関東地区に住んでいる人でも

1000万程度のお金で、月々

7、8万円の収入が得られるということを

知っている人は少ないと言うのが現状です。

 

ですので、これからも定期収入の入る

東京のマンションを見て歩くセミナーをひらくことにしました。

 

さしあたり、923(木・祝日)に開き、
次のようなコースで歩いて投資向きのマンションを

見て歩きます。

 

(1)JR原宿駅・竹下口に集合(10時)

 

(2)竹下通りのマンションを見学

 

(3) 原宿表参道通ヒルズ裏のマンションを見学

 

(4) 港区・南青山のマンションを見学

 

(5)      渋谷区・渋谷一丁目のマンションを見学

 

(6) 恵比寿のマンションを見学

これだけ歩いたら、投資向きマンションを
見る目も肥えるし、
良い運動にもなると思います。

前に
「何かを達成したという充実感が明日につながる」
と書きましたが、渋谷区恵比寿駅から1分の場所にある

マンションを手に入れ、テナント(借り手)も見つけた

37歳の独身青年の言動には明らかに
新しい活力が見られるようになりました。

その活力の源泉は何でしょうか。
思うに、

こういうマンションを手に入れたいという選択、
それを手に入れるためのローンの手立て、

ローンの支払いと収入のバランス計算、
テナント確保のための自分なりの行動
など、幾つかのリスクを感じながらも、
新しいチャンスをつかもうとして
自分なりに考え、行動してきたことが、
元気を生み出しているように感じられました。

 

また、その青年に先んじて

2年前から都内のマンションを二つ

手に入れてきた43歳の人は
この2年間の体験で、

税金の支払いが増えてきたので、
いま家族会社設立の必要性を

感じるようになっていると語りました。


私はかねてから
定期収入が入ってくる道を講じるという行為は

マンションを手に入れてそれを人に貸すという
単純なものではあるけれども、
自分なりの才覚で、
新しい経済的に営みを図り、
収支のバランスをとっていくと言う意味で
事業家の経済感覚と共通する
マネジメント能力が養成されると感じていましたが
この二人と接して、その感を深くしました。

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