およそ何事か成し遂げようと思えば、
「目的」と「目標」を明らかにしなければなりません。
例えば自分の家を持ちたいと思えば、
「自分の家を持つ」という「目的」のため、
「頭金として500万円ためる」という
「目標」を実現する必要があります。
この「目的」と「目標」の関係について、
2008年の北京オリンピックに出場した
競泳日本代表チームに
「勝負に勝つための脳の鍛え方、使い方」
を伝えた脳神経外科医の林成之(はやしなりゆき)先生は
「ビジネス(勝負脳)」という本の中で次のように述べておられます。
リーダーが自分に打ち勝ち、組織を成功に導くには
次の三つの過程が必要。
(1)「目的」と「目標」をはっきり区別する。
(2)具体的な「目標」を立てて、それを実行する。
(3)そして「目的」を達成するまでそれを実行する。
林先生によれば、
「目的」とは最終的に到達したい成功のイメージのことで、
「目標」とはその「目的」を達成するために、何をするかという
ことであり、この「目的」と「目標」の意味を混同している人が
多いとのこと。
そして「目的」だけではダメで、具体的な「目標」が必要で、
人間の脳は具体的な目標がないと動けないのだそうです。
オリンピックに出場する選手でも
「目標」が「オリンピックで金メダルをとる」というのでは
漠然としていて、脳は何に集中したらいかわからない。
その点、イタリア・トリノの冬季オリンピックで金メダルをとった
荒川静香選手は
「採点方法が変わったので、演技ごとに
自分の欠点を明らかにして、一つひとつを
いかに完璧にこなすかに集中する」
という具体的な目標をたて、練習に励んだので、
金メダルをとるという「目的」を達成できたとのこと。
以上が林先生のアドバイスですが、これは
私たちの人生の成功のために、そのまま役立てる
ことができますね。