今から35年前の話しですが、
私が長男に与えた一つが算数、数学の基礎を
きちんと学ぶための環境づくりでしたが、
それ以上に、理科の基本を理解できるように
させてやりたいと考えていました。
と言うのは私自身、理科の基本が
勉強できていないことを自覚していたからです。
私は大学受験のとき文系のコースをとりましたが、
理科も2科目とる必要があり、生物、化学、物理、
地学の中から、生物、化学の二つの科目を選択し、
高校3年生の時は、この2科目の受験勉強もし、
合格点が得られるだけの力はつけました。
しかし、選択した生物や化学のほか
物理や地学など、広く理科の分野においては
「この勉強、楽しいなあ」と思ったことがなく、
本来なら小学校、中学校の時点でしっかり
身に着けておくべき基礎学力が欠けていて、
親が何がしかの手を差し向けなければ、
子供たちも同じようになるのではないかと
思っていました。
そういう意識がいつも頭の片隅にあったからでしょう、
当時は毎日新聞をとっていましたが、
新聞を見ると、大阪のある学校で、
子供たちがとても喜ぶ理科の授業が
行われているという記事が目の中に
飛び込んできました。
「これだ、これだ」と思って、記事を
はじめから終わりまで読み、その授業が
「仮説実験授業」と呼ばれているもので、
「板倉聖宣」(いたくらきよのぶ)と言う人が
提唱している授業であることを知りました。
いまだたら、すぐ、「仮説実験授業」とか
「板倉聖宣」を検索するところですが、
当時はそういうものはありません。
情報を得る場所は図書館です。
私は小倉にある北九州市市立図書館に行き
「板倉聖宣」さんが書かれた一冊の本を
見つけ、その中の一部をコピーしていただきました。
ここから私の「仮説実験授業」研究がはじまります。