2015年07月

来る8月13日、東京でアジア株セミナーを開きます。
http://todaseminar.com/news/popup.php?id=20150706204128

先日、この告知をご覧になった方が、
私に電話してこられ、盆の時期で、出にくいが、
邱先生が注目した中国株が50銘柄もあり
それぞれの株価がどう推移したかに興味があるので、
参加すると伝えてくれました。

確かに、私は、
邱先生注目の中国株50銘柄について、
先生が取り上げた中国株について、
先生が取り上げた時点から見て、
株価がその後どう変化したかの記録を
まとめていて、その内容を紹介します。

これは2年ほど前、私のセミナーに
参加された方からの要望に応えるため
作成したものです。

私に要望された方は、
ある時期から、先生が取り上げた株を追って、
連続的に買い続けられましたが、成績不良、
そもそも、先生が取り上げられた中国株について
全体的に見て、どうだったかのまとめをしてほしい
とのことでした。

先生の投資法への懐疑心から提起されたもので、
私自身は、当初、気が進みませんでしたが、
わざわざセミナーに参加いただいた方からの
要望でしたので、半年くらいの時間をかけ、
まとめました。

このように、気が進まないなか、
行ったものですが、その結果は、
邱先生の投資法の威力を伝えていて、
やって良かったと思っています。

興味のある方はどうぞセミナーに
ご参加いただき、とくとご覧ください。

前回、引用した邱先生の文章で、
5万円出して、ソニーの株を1000株買い、
死ぬ時は10億になっていたというのは
劇作家の飯沢匡さんです。
そのことを、先生自身が伝えてくれています。

「私とは全く関係のないことですが、
ソニーがまだ東通工という会社であった頃、
劇作家の飯沢匡さんと盛田昭夫さんは親しかったので、
『オイ、うちの株を持たんか』という話になり、
飯沢さんが5万円出して東通工の株を1000株買ったそうです。
それがソニーと改名して次々と増資して
今日のような世界的な大会社になったのですが、
友達の誼みもあって飯沢さんは増資に増資を重ねても
只の1株も処分せず、
死ぬまでずっとソニーの株を持ち続けました。
そうしたら5万円が10億円になったと
人づてにきいたことがあります。
『大したものだ、だから株を持つなら成長株に限る』
と言うことになりますが、
本人は折角の大財産をそっくり残して死んだのですから、
実は持っていなかったとの同じことになります。
従って羨しがるほどのことではありませんが、
株をやって一儲けしようと考えている凡百の人たちにとっては
心穏やかならぬ話であります。

ですからどうせ投資をするのなら、
第2のソニー、第2の本田はないかということになります。
世の中は次から次へと変化して行くのですから、
必らず第2のソニー、第2の本田が現われます。」
(もしもしQさん。
第3658回
「5万円が10億円になる株式投資も」)

「株は長く保てば大きな財産になるものです」
と邱先生はおっしゃいました。その真意は
次の文章を読むと、よくわかります。

「私の知っている人で、

ソニーがまだ東通工と呼ばれていた頃、
のちに長い間、ソニーの社長をつとめた盛田昭夫さんと友人で、
「お前、俺んとこの株主にならんか」と言われて、
1株50円の株を1000株、5万円で買って
死ぬまでずっと持ち続けた人があります。
死んだ時に時価で評価したら10億円になっていたそうです。

これは実話です。
こんな話をきいたら、誰だって、
俺も株を買って見ようかという気になります。
但し、実際にそういう幸運に恵まれる確率は
恐らく1億人に1人くらいでしょうし、
それができたとしても、
死ぬまでに10億円の恩恵にあずからなかったのですから、
そんなに羨ましいことではありません。

仮りにあなたが似たようなことをしようとしても、
その株がはたしてソニーのような大成長をするかどうかは
実際にそうなるまでわかりません。
選ぶなら既に世間から評価されている一流株よりも
創業して間もない無名株でなければならないし、
そういう出世株で本当にソニーのような大成長を遂げる株は
万に一つもあるかどうか。
仮にそういう出世株だとしても株価が10倍になったら、
もういいやと売っ払ってしまうことが多いし、
反対に待てど暮らせど、梃子でも動かない株なら、
辛抱しきれなくなって売っ払う可能性は
もっとずっと多いと思います。

「いやいや、俺なら大丈夫だ」と言って
10億円になるまで頑張って死ぬまで持ち続けたとしても、
死ぬまでその10億円に手をつけないことになりますから、
実は持っていなかったのと結果は全く同じです。
精々、相続人が相続税を払って相続するのがオチで、
株は売らずに一生持ち続けるよりは、
やっぱり儲かったら、適当なところで儲けを実現して、
考えたこともないような贅沢をして見るに
こしたことはありません。
但し、そういうことができるためには
やはり成長株を狙う必要があります。
株は安い時に仕入れて高くなったら売ればいいのですが、
それがなかなか難しいのです。」
(出典 もしもしQさん。第3486回
株をやるなら成長株買いに限ります

むろん、成長株を見出すことは容易なことではなく、
邱先生自身、成長株探しでは失敗がありました。

また、成長株探しはたいへん辛抱のいる作業で、
凡庸たる私たちは宝探しの道中の気迷いから
あらぬ方向に走って財産づくりの大道から
外れてしまうこともしばしばです。

といって、成長株投資の意義が薄らぐ
ことは全くないと私は考えています。
引き続き探求していきたいと考えています。

「私は邱永漢さんのファンです」
「もしもしQさんQさんも毎日、読みました」
「邱友会にも出ました」という人たちと数多く接しています。

 こういう方の多くが、中国株に投資をされました。

 邱先生は「株は長く持てば、一財産できるものです」
 とおっしゃいました。

 では、邱先生を信奉した人で株で一財産つくったという方は?

 私の見るところ、「この人は株で一財産つくられたなあ」
 思う人たちはごく少数です。 なぜでしょう。

 原因は一つではないでしょうが、
 先生は成長株への投資を勧めましたが、
 邱先生を信奉したという人の多くは、
 株を「利鞘稼ぎの手段」と考え、
 行動したからではないかと私は見ています。

 先生の「もしQ」での一文を再読しましょう。

「株で値ざやを稼ごうとする人は
 そんなに大きな稼ぎができません。
 私が自分の買った株を紹介すると、
 それに提灯をつける人も少くないので
 少々値上がりします。

 でもそれが持続するとは限りません。
 逆に値下がりすることもあります。
 値ざや稼ぎを株式投資と心得ている人は
 ちょっと下がるとあわてて投げて損をします。
 するとそれを私のせいにして、
 私や私について投資をした仲間たちを恨んだり、
 憎まれ口を叩いたりします。

 でも私は株を売るどころか、
 ナンピンをかける側におります。
 どうしてかというと鞘取りには全く興味がなく、
 その会社の成長に賭け
 それが形になるまでに平均して3年くらい、
 長いのは5年かかる覚悟をして投資しているからです。」
 (出典 もしもしQさん
「第3956回
 あわてる投資家は金持ちになれない

アジア株セミナーは今年、7月下旬、大阪、名古屋、東京の
各地で開催しました。
 
このセミナーは、邱先生が遺してくれた知的財産形成術を
いまに活かしませんかという狙いで開いたものうち。
 
そのうち、東京でのセミナーに参加いただいた方から
から次の感想をいただきました

ご本人の了解をいただき、以下に掲載させていただきます。
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今晩は、戸田さん。今日も、暑かったですね。

日曜日のセミナーに参加できて、本当によかったです。

仕事の関係で、少し遅れての参加になってしまいましたが。

中国の成長が、高度成長から安定成長に変わったので、

持ち株を整理しようと考えていましたが、何に集中し、何を売却するか、

ずっと、悩んでいました。

セミナーに参加して、方向性がはっきりしました。

持ち株の中に、東江環保があり、無償増資のメリットを享受しています。

もちろん、赤字になっている株もあります。

邱永漢先生のおしゃった、“見切り千両”という言葉を、
絶えず反芻しながら、赤字になっている株を少しずつ処分しています。

年末の戸田ゼミ・忘年会に参加したいと思っています。

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このご感想は、大阪、名古屋での参加者に共通するものです。

そのため、今一度、東京で装いを新たにして開催しようというものです。


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