2012年11月

私は今から20数年前、

邱永漢先生の『金儲け発想の原点』(1990年)

という本を手にし、そこに書かれている

「今は駄目でもいつまでも駄目ではない」

という文章を読み、

邱先生の人生に対する態度のなかに

「楽天思想」あるいは「楽観思想」ともいうべき考えが

流れていることを知りました。

 

そして

私たちをとりまく環境がどんなに悪くでも、

それを乗り越えて生きていこうとする積極姿勢が

邱先生において貫かれていることを知り、

人生を楽しみながら生きていくには

将来の向かう先を暗く描き「悲観」思考でなく

努力すればなんとか解決できものだという

「楽観」姿勢が必要であると知り、

目が開かれる思いがしました。

 

この「楽観」姿勢がより明確に表明されたのが

その『金儲け発想の原点』の9年後に刊行された

『楽天家でなければ生きられない』(1999年)

という著作の「楽天家に末世の思想はない」です。

 

この文章で先生は次のように書いています。

 

「楽天家とは、事態を甘く見ているとか

何事も自分の都合のよいように解釈することでなく、

死力を尽くして頑張れば、そう悪い方向にはいかないものだ、

そうこうするうちに、道は自然にひらけてくるものだ

という信念を持っているということである。

 

このことは人生を生きていくうえで絶対に

必要な条件の一つであると私は思っている。

またそういう信念がなければ、途中で挫けて

初志を貫くことは到底できないものである」

 

昨日朝、新聞を開いたら、

世界も日本も悪い方向に向かている

という趣旨のことを書いた本の

広告が出ていました。

 

この広告に限らず、この頃は

世の中はだんだん悪い方向に向かっている、

お先真っ暗だ、という趣旨の記事が目立ちます。

 

こういう記事が多くなる理由は

わからないことではありませんが、

私は果たしてそうだろうかと強い疑問を投げかけます。

 

というのも自分はいま自分は

安心して生活のできる日本で

幸せな暮らしをさせていただいている

という気持ちが働いているから、

こういう境遇が脅かされる心配はないと感じているからです。

 

もう一つは、むかし、

邱永漢先生の『金儲け・発想の原点』という本で

「今は駄目でもいつまでも駄目ではない」

と題した下記の文章にふれ、

世の向かう方向を悲観するのではなく

楽観するようになったからです。

 

「さきにも述べたように

今、駄目だからといって、

いつまでも駄目ということない。

到底、駄目と思っていたことでも、

曲がり角をひとつ曲がると、

早くも新しい展開になることがしばしば起こる

 

世の中はこういう法則が働いているので、

一見困難な環境でも

最初から挑戦することをあきらめたり、

たじろいだりしてはいけない。

たとえば、老害の支配する中国は駄目だろう、

混乱の多いフィリピンは駄目だろうと、

はじめからきめてかからないことである。

 

今は駄目でも、いつかは扉がひらかれる

と信じることによって

新しい世界がひらかれて行くのである。」

(「今は駄目でもいつまでも駄目ではない」

『金儲け・発想の原点』・1992年に収録)

ということで、私はこの世は悪くなる一方だ

という説にはくみしなくなているのです。

邱永漢先生の『一番悪い時が一番のチャンス』

の出版にかかわられた方の「邱永漢の思い出」と題する

コラムの紹介です。

 

「ところが、今日のテレビ番組を見ていたら、

先生が一番最初に投資の本を書いたとき、

株のことなどほとんど知らなくて、

『株はどこで買うのか』さえ知らなかったと話していました。

 

それで、なーんだ先生だって最初はそうだったのに、

あのときはそれを忘れていらっしゃったのかなー、

それとも昔の自分のことを思い出され、

我々の話に乗ってくれたのかなーと、

改めてお元気だった先生との日々に思いをはせたのでした。

 

 作らせていただいた本を列挙し、

感謝とともにご冥福を祈りたいと思います。

 

『邱永漢の株入門』―“金儲けの神様”が教える極意

『邱永漢の商売入門』―こうすればかならず成功する!

『お金の貯まる人はここが違う』

『株の原則』―邱永漢の基本法則1

『商売の原則』―邱永漢の基本法則2

『生き方の原則』―邱永漢の基本法則3

『お金の原則』―邱永漢の基本法則4

『ザ・生き方』―「情」に生きる「意」に生きる「知」に生きる

         松原泰道、邱永漢、多湖輝、 寺内大吉

『一番悪い時が一番のチャンス』          」

 

このコラムを書かれた編集者の方に深くお礼申し上げます。

いずれのご本も出版された時に買い、何度も読み

マーカーを入れたり、付箋をつけたりして、本棚におさめ、

いまもときどき、引き出して再読しています。

本当にありがとうございました。

邱永漢先生の『一番悪い時が一番のチャンス』

の出版にかかわられた方の「邱永漢の思い出」と題する

コラムの紹介です。

 

 「最初にお会いしたとき、

『いろいろなお金儲けの方法があるみたいですが、

たとえばどんな投資方法がまちがいないんでしょうか』

と質問したところ、

『あのね。一番確実にお金を貯めるには、

投資とか何とかより自分の“天職”を持つことですよ』

と言われ、ガーンと頭を殴られるようなショックを受けました。

 

 たしかに、自分の天職と言えるものが見つかれば、

骨身を惜しまず打ち込めますから、

それこそ井深大さんの名言

『仕事の報酬で一番うれしいのは仕事です』

という言葉どおり、いい仕事をできる喜びで働いているうち、

結果としてお金も付いてくるということでしょう。

 

 私の場合、“天職”がみつかったかどうか、

コラムの紹介です。

 

 「最初にお会いしたとき、

『いろいろなお金儲けの方法があるみたいですが、

たとえばどんな投資方法がまちがいないんでしょうか』

と質問したところ、

『あのね。一番確実にお金を貯めるには、

投資とか何とかより自分の“天職”を持つことですよ』

と言われ、ガーンと頭を殴られるようなショックを受けました。

 

 たしかに、自分の天職と言えるものが見つかれば、

骨身を惜しまず打ち込めますから、

それこそ井深大さんの名言

『仕事の報酬で一番うれしいのは仕事です』

という言葉どおり、いい仕事をできる喜びで働いているうち、

結果としてお金も付いてくるということでしょう。

 

 私の場合、“天職”がみつかったかどうか、

転職もしないでやってきたところをみると、転職もしないでやってきたところをみると、

それが天職だったのか転職しようにもほかにできることがなかったのか、

とにかくたしかに一時は随分バブリーな気分を味わいました。

 邱永漢さんは、ときどきあの有名なロールスロイスを

自由に操る運転手さんが細い路地まで平気で入って、

青山のお気に入りのレストランに連れていってくれました。

 

 そんな邱永漢さんが、最初、私たちが取材方式による

新しい独自の方法で本を作りたいと言うと、

『いやしくも私は作家だから文章は全部自分で書く』

とおっしゃいます。

 でも先生からみたらバカみたいという素朴な質問から始めたいので、

とにかくそれに応えてほしいと申し上げると、

じゃあ、たとえばどんな質問かと言われます。

 そこで私が、『たとえば株はどこで売っているんですか。

八百屋だって言った人もいるんですが……。

それと小学生がお年玉に5千円もらったから、

それで株は買えるんでしょうかと聞かれたとしたら?』

と言うと先生は笑い出して、

「君らそんなことから聞きたいの」といって、

私たちの方法に乗ってくださり、

その本がそれまでの先生の本の平均部数数万部をはるかに超える

30万部のベストセラーになったものですから、

すっかり信用してもらえたのでした。」

私の株の勉強会には邱永漢先生に学んで

株でよい成績を挙げたいと思う人たちが集まります。

 

ですので、私は折々、いまはこの本が参考になると

邱先生の本を選んで配ったりしますが、

そんな私がたいへんお世話になっている一冊が

『一番悪い時が一番のチャンス』です。

 

先日のことですが、この本の出版にかかわられた方が

高校時代の同窓会に、その時の体験を

「邱永漢さんの思い出 」として題して

お書きになっているコラムに出会いました。

 

たいへん面白いので、ここに3回にわけて

紹介させていただきます。

 

「先日、といってももう何ヶ月も経ちますが、

作家で経済評論家の邱永漢さんが亡くなりました。

 それを受けて、今朝、NHKテレビの

『あの人に会いたい』で、かつて鈴木健二アナウンサーが

インタビューした番組を再放送していました。

 見ていて、おや? と思う言葉がありました。

 

 邱永漢さんの本は、私も何冊か担当させていただき、

あの温和な笑顔が今も忘れられません。

 とりわけあのバブルの崩壊直後、

私の会社が風前の灯になり、

それまで数冊の本でお世話になった縁を頼りに

新しい本の依頼に行ったとき、

『悪い時こそじつは一番のチャンスなんですよ』と励まされて、

そのまま『一番悪い時が一番のチャンス』という題名の本に

まとめさせていただいたことが、一番ありがたかった思い出です。」

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