2011年12月

いまは「小さなせせらぎ」に過ぎないけれども

いずれ、それが「大きな流れ」になるのが

世のなかで起こる「変化」だと

邱永漢さんから教えられました。

 

いまから思えば平成5、6年ころの中国は

私たち日本人から見たら、

「小さなせせらぎ」に過ぎないものでした。

 

それが、だんだん年月をへるに従って

中国が経済を発展させ、

日増しに存在感をたかめました。

そして、いまや、

中国の経済がどう動くかを抜きにしては

世界の経済の動きを語ることができない

大きな存在になりました。

 

いまや中国は滔々と流れる大河です。

 

この大河はまだまだ

拡大する可能性を持っているので、

中国とのつきあいは欠かせないないと

考ええいますが、興味深いことは

「小さなせせらぎ」に過ぎないように見えたころから、

黙々と中国株に投じてきた人たちの中から

財をなす人が現れてきたということです。

 

でも、同じことが中国のあとを追って

経済を発展させようとしている国々と

付き合うことで可能だと思います。

その筆頭がベトナムであると見て、

今年は多くの友人たちと一緒に

ハノイ市やホーチミン市を訪れました。

 

私と一緒にベトナムを訪れてくださった方々、

また私のベトナム視察の報告に耳を傾けてくださった

方々に感謝申し上げます。

 

果たしてベトナムが

滔々たる大河に成長するかどうかは

5年、10年の歳月が必要だと思います。

 

ですが、見えない将来に向けて

賭けていくのが投資だと考えています。

 

こうした観察と投資の機会を

提供してくれている中国やベトナムの人たちに

深甚なる謝意を表し、この一年を締めくくります。

 

世の中はどんどん変わっていきます。

この世の変化にどう対応していくかが

大切だと私は感じています。

 

この世の変化ということについて

邱永漢さんは、しばしば、

「小さなせせらぎ」が「大きな流れ」

になっていく自然の変化をたとえにされます。

 

例えば、邱さんの先見力に着目して

グラフ社が昭和59年にまとめた

エッセンス本『先の見えないものは滅びる』

の前書きで邱さんは次のように述べています。

 

「15年たった今日、お読みいただいても、

いま起こりつつあることを書いているのではないか

と思われる斬新さが残っているとすれば、

それはその当時、

『せせらぎ』ほどの流れに過ぎなかったものが

時とともに次第に『大きな流れ』になってきたからであろう。」

 

また「もしもしqさんの連載がはじまった

平成12年3月20日のコラムでも

次のように述べています。

 

「変化がはじまったばかりの頃は

小さなせせらぎのような流れですから、

人の目につきません。

でもせせらぎが集まると、川になり、

川が合流すると、大河になって

海に注いだあとは大きな潮流に変わってしまいます。

海は広々としてただだだっ広いように見えますが、

その中をいくつもの大きな潮の流れがあり、

その中をさまざまの魚が泳いでいます。

潮は1つのところにとどまっていないので、

潮の流れが変わると、

魚のとれるところも変わってしまいます。

商売をする人も、就職先を見つけるひとも、

そういことに気づくと気づかないでは

対応の仕方が違いますので、

収穫に大きな差が出てきます。」

 

私たちの周辺でも、

将来「大きな流れ」になっていく可能性のある

「小さなせせらぎ」が起こっているはずです。

それが、どういうものであるかを見つけ

機敏に対応していけば、

相応の収穫を手に入れることが

できるのではないでしょうか。

 

今年はベトナムに三度足を運び、

友人たちと一緒にハノイやホーチミンで

上場会社を訪れました。

 

その結果、それぞれの会社の動きが

よくわかり、また全体として

ベトナムが経済を発展させる方向に

動いていることを強く感じるようになりましたが、

8月中旬、ホーチミン市に滞在しているとき、

ベトナム周辺の国は、

どういう動きになっているのかも

知らなくてはと思いました。

 

帰国して、あれこれ情報を集め

すぐにわかったことは、

ベトナムの隣国であるカンボジアに

進出している日本の会社が増えていることです。

 

ベトナムよりもさらに低いコストで

人を集めることができることに

着目しての動きのようです。

 

また、北尾吉孝さんが率いるSBIグループが

韓国の現代スイス・フィナンシャルグループ・コリア

という銀行と合弁で、カンボジアの首都、プノンペンに

プノンペン商業銀行という銀行をつくた

というニュースも飛び込んできました。

 

こういう動きを知るとカンボジアにも

行かなくてはと思うようになります。

 

もっとも、カンボジアの経済は

経済発展に向けていま動き出したばかりで

個人投資家にとっての投資環境は

整っていないようにも感じれます。

 

そこで、11月、再びホーチミン市を

訪れた際、お世話になったジャパン証券の

竹内アナリストに、カンボジアについて

どう思うか訪ねました。

 

竹内さんはカンボジアを訪れたことあるようで

「訪れる価値があると思う」とのことです。

それでは「近いうちにカンボジアを訪れることにします」

と応じ、来年2月ハノイを訪れたあと

プノンペンまで足を運ぶことにしました。

 

カンボジアというとアンコール・ワットが有名で、

いずれ訪れたいとは思いますが、

経済視察が目的なので、今回は

首都のプノンペンを訪れます。

 

 

いまはIT(情報技術)が
どんどん発達する時代で
次から次に新しい商品が現れ、
最近はI Phoneや I Padという商品を
耳にするようになりました。

若い世代の人たちは好奇心が旺盛で、
競ってこういう新しい商品を手に入れ、
私のような年配者はそうした光景を
後ろから眺める側に立ちがちですが、
年配者でも好奇心の旺盛な人は
新しい商品にタッチします。

その筆頭は邱永漢さんです。
今年、6月、邱永漢投資考察団に参加し、
最終日の上海での株の勉強会の会場で、
邱さんが四角いものを手にしている姿に接し、
それがI Padであることにすぐ気づきました。

最近のコラムで
「私のように90歳に近い老人でさえ
iPadを持って海外旅行に行く時代になったのですから」
と書かれてていたからです。

このころから、私の友人のなかでも
進取の気性に富む人たちはこれらの商品を買い、
そういう人たちから、
「I Phone、 I Padはとても便利です」
という感想を聞くようになりました。

わたしはかねがね、
電車や飛行機に乗っている間、
メールの交換やネットでの情報収集が
自由にできたらうれしいと感じていたこともあり、
地元のソフト・バンクの営業店に行って
I Padを買いました。

実際にI Padを使って、
試行錯誤を繰り返しているところですが、
系統だった勉強をするには
渋谷か銀座のアップル・ストアーに

出かける必要があるようなので、
年が明けたら、どちらかの店で
説明を受けるつもりです。

時代の新しい流れに即応できるように
という私のささやかな試みの一つです。

 

邱永漢さんの著作の中に
『固定観念を脱する法』という本があります。

昭和58年に、日本経済新聞社から
刊行された2回目の全集のトップを切って
発刊された本です。

私は昭和18年生まれですので、
ちょうど40歳になったときに
この本を本屋さんで見つけました。

当時、邱さんの著作を
次から次へと読んでいたのですか、
この本だけは買うのはよそうかなと思いました。

『固定観念を脱する法』という
タイトルの意味がピンとこなかったのです。
でも、邱さんの本だから、
役に立つことが書かれているかもしれない
と思って買いましたが。

いまこの本のページをくると、
次の文章に目がとまります。

「ボイラーにアカがたまるように
年月がたつと頭のなかに固定観念が蓄積されてくる。
人間は年をとると、経験が層をなして積み重なり、
また行動半径が固定化してくるからである。

経験を積んだ年代層は、
その分だけ自身を持っていることもあって、
それを受け入れようとする代わりに
拒否反応が示す。
『自分に理解できないことに
拒否反応を示すようになったら、
老化現象と考えよ』と、
私は絶えず自分に言いきかせているので、
何か自分にわかないことが起こると、
これはもしかしたら新しい現象ではないかと
一応は疑ってみる。」

53歳のころに自分の中で起こっていた
パソコン操作への拒否反応など、
今から思えば、老化現象というほかないものです。

40歳の時にはピンとこなかった
「固定観念から脱する」ことの必要性、
68歳の私には切実なテーマです。

 

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