2010年06月

1761回 楽しみながら仕事をする境地をひらきたいものです

 

堀場雅夫さんが創業した堀場製作所の
社是が「おもしろおかしく」というものであることを

知りました。

この世で会社勤めをしている人の大半が

仕事は面白くない、楽しくない、苦痛と
思っているのではないかと思います。


これではいけない、と誰もが思いながら
その状況を克服できていないのではないでしょうか。


こんなことでは個人も会社もしあわせにならないと
堀場さんは真剣に考え、実践されてきたのでしょう。

堀場さんは、著書も多いですね。

1995年 「イヤならやめろ! 社員と会社の新しい関係」

1996年 「ベンチャー魂 日本経済よ、甦れ」共著 篠原総一

1998年 ビデオ 「堀場雅夫の経営心得帖」

1998年「堀場雅夫の経営心得帖」

1999年 「元気だせ日本人 堀場雅夫と21人のベンチャー」

2000年 「仕事ができる人できない人」

2001年 「問題は経営者だ!

2001年 「おもしろおかしく 」共著 中谷彰宏

2001年 「『好き』にまかせろ! 子どもを幸せにする教育論 」

2003年 「人の話なんか聞くな! 少しの勇気でもっと自分を活かせる!

2003年 「今すぐやる人が成功する!

2003年「 仕事ができる人できない人」

2005年「 その他大勢から抜け出す仕事術 仕事を変える「8つの時間」」

2005年 「堀場雅夫の社長学 」

 

私はわずかに、「仕事ができる人できない人」を

読んだだけで、続いて読もうという気にはならなかったのですが、
遅まきながら、堀場さんが楽しみながら仕事をしようという

考えの持ち主だと知って、これらの本を読むことにしました。

 常々「楽しみながら仕事をする境地を開拓する」ことが

大事だと思っていますので、参考にさせていただこう思います。

前回、ミッション経営大賞第1回の受賞者 
堀場雅夫さんのメッセージをお伝えしました。
堀場さん京都市南区に本社を置く
分析・計測機器企業、堀場製作所の
創業者で今年86歳です。

いま堀場製作所のホームページを開くと
社是は「おもしろおかしく」で、
次のようなメッセージが発信されています。

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常に「やりがい」をもって仕事に取り組むことで、
人生の一番良い時期を過ごす「会社での日常」を
自らの力で「おもしろおかしい」ものにして、
健全で実り多い人生にして欲しいという
前向きな願いが込められています。
そのために会社は
「おもしろおかしく」働ける舞台を提供します。

そこで従業員が「おもしろおかしく」仕事をすれば、
発想力や想像力が増すとともに、
効率も上がり企業価値が高まります。

その結果、お客様、オーナー(株主)、サプライヤー、
そして社会とWIN-WINの関係を構築できます。

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あわせて、5つの“おもい”が書かれています。

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「おもしろおかしく」を従業員が自己実現していくために、
HORIBA
では以下の「5つの“おもい”」
を強く持ち、実践していくことを掲げています。


誰も思いつかないことをやりたい。

技を究めたい。

自分の仕事や会社を誰かに伝えたい。

人や地球の役に立ちたい。

世界を舞台に仕事をしたい。
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ちなみに、堀場製作所は2005年度に
創業60周年を迎え、売上高1,000億円を達成し
企業規模が大きくなり、グローバルに事業展開を行う
ことになったので、企業文化を守り育むために、
従業員が「HORIBAブランド」を再確認し、
それを共有・伝達するためにHORIBA Brand Book
2007
126日に発刊、全世界約4,700名の
全従業員に配布したのだそうです。

中部大学の副学長、小野桂之介先生らが

ひらいている「ミッション経営研究会」は
東洋経済新報社の後援を受け、
毎年一回、ミッション経営大賞を発表している。


このイベントは2002年に始まったが、

1回の大賞を受けたのは堀場製作所の
創業者、堀場雅夫さんです。
そのときの受賞の言葉が素晴らしい。

「今回、第1回のミッション経営大賞を頂戴いたし
大変に感激しております。本当にありがとうございました。
3
年前にスタートされましたミッション経営研究会も、
回を重ねるごとにたいへん立派な事業を展開されまして、
私どもも敬服いたしております。

この立派な研究会の大賞ということで、
私もこれから、もっともっと頑張らなければならないと思いますが、
私もすでによわい齢は賞味期限を切れております。
しかし命ある限り、日本のために、
あるいは世の中のため人類のために
頑張っていきたいと思っておりますので、
今後も皆様方の一層のご支援をお願いいたします。

 

いま、『目に見える、顔の見える経営』
ということが求められています。
これは、経営者1人ひとりが信念を持ち、価値観を持ち、
しっかりしたフィロソフィーを持って、
有言実行していくということであります。
そして、企業の発展は経済の発展につながり、
経済の発展はその国の発展につながるのではないか
というふうに考えております。

 

特にこの21世紀というのは、
地方主権国家をいかに造るかということが大きな課題だと思います。
それには各ローカル、ローカルが経済的に独立をしなければなりません。
地方交付税をもらいながら独立したというのでは、
まさに親父から小遣いをもらって
息子が一見独立したというようなことであります。

そうではない、ローカルの真の経済自主独立ということが、
ひいては日本の国家をより強く、そして世界の人たちから
尊敬されることになるのではないかと思います。  

    

そういう意味におきましても、
このミッション経営ということが絶対必要になってくると思います。
私自身、ミッション経営がいかに大切かということを最近、強く感じております。
小野先生を中心として、このミッション経営研究会がますます発展され、
そして、それがひいては21世紀のバックボーンになることを信じております。
このたびは本当にありがとうございました。」  (200234日 談)

              

ちなみに前回、紹介した林原健さんは
三回目の大賞を受けています。

一つのことを勉強すると、

副産物として、いろいろなことを
知るようになります。

今年「ミッション、ビジョン・メイキングセミナー」

をひらいた関係で、私は「ミッション経営」を
研究している中部大学の副学長、小野桂之介先生の

著書を読むようになりました。

「ミッション経営」とは
明確な社会的使命感を持って行われている

経営のことで、小野先生たちがとりあげいている
会社の一つに岡山に本拠を置く

林原(はやしばら)グループがあることを知りました。

林原グループといえば
7
年前に社長の林原健さんが
私の履歴書を書いたので

読まれた人がいるかもしれません。

ずいぶん前のことになりますが、

邱永漢さんが林原健社長や
参与の正木 和三sん(電気炊飯器の開発者。故人)
と対談されました。

それらを読んで、林原グループが
研究開発主導型の会社であることを
感じていましたが、林原グループの
ホーム・ページを見ると、自然科学博物館や

類人猿研究センターが設置されています。

一体、どういう会社なんだろうと思って
牧野昇さんがまとめた、
「創造の力ー『不思議な企業』林原の発想」
を読んで、驚きました。

林原健さんは19歳の時に父親がなくなり、
社長の座に坐らされ、一時は強大な負債を負いながら
いまや岡山と言う一地方に拠点を置きながら

世界トップクラスの先生たちとパートナーシップを

組んで、独創的な発想を展開している努力に

敬服の気持ちを持ち、人間の努力が無限の

可能性をひらくことに驚きました。

いま「日本で最も独創的な会社は?」と聞かれたら
私は迷わず「林原グループ」を挙げます。

小林一三翁の勉強と並んで
今年の前半に行った

「ミッション、ビジョン・メイキングセミナー」です。

「ミッション」というのは「使命・役割」で

「ビジョン」は「将来こうありたいと言う理想像」

と言われていて、自分が将来進みたい方向や

具体的な目標を明らかにし、自分を

鼓舞するため必要なものだと考えています。

 

が、上の解釈だと、

「ミッション」と「ビジョン」の関係が
はっきりしません。
ろいうことを考えていたところ、
ある人が、
「ミッション」とは

「やりたいこと、やらなければならないこと」で

 「ビジョン」は
「ミッションへ到達するまでの道筋(ロードマップ)」

 であると述べていることを知りました。

 

この解釈によると、
「ミッションは挑戦すべき目標」、

他方
「ビジョンはミッションに到達するための道筋」

と、「ミッション」と「ビジョン」が一体のものと

説明され、両者の関係も明確です。

 

こうした会社を参考に、
いまは会社の一員として働いているけれども
いずれは一本立ちしたいと考えている人には

自分の「ミッション」と「ビジョン」を、

また会社を経営している社長さんには

自分の会社の「ミッション」と「ビジョン」を

明らかにする作業に取り組んでいただきました。

 

この作業はおりおりの段階で

リニューアルしていくべきものと考えていますが、
不断に取り組んでいくべきテーマです。

今後は、通信教育スタイルで、この勉強ができる
ようにする考えです。

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