2008年07月

前から行きたい、行きたいと思っていた
台湾をようやく訪れることができました。

私が台湾というゾーンを意識しだたのは、
邱永漢さんの文章を読み出した昭和54年頃のことで、
もうかれこれ、約30年ほど前のことになります。

その頃、邱さんは『悪い世の中を生きる知恵』
という連載をしていた『週刊ポスト誌』に
台湾の会社の株を買うことを薦める記事を
掲載されました。

私にとっては、邱さんの話はすべてが新鮮で、
興味のそそられることばかりでした。
そこで、ある土曜日の午前中、
『週刊ポスト誌』に掲載された
邱さんの談話記事を切り抜いて渋谷の
邱永漢事務所を訪ねました。

応対してくださった
スタッフの方にあれこれ伺うと、
台湾の株は台湾現地に行き、
台湾の証券会社で
買う必要があり、
投資資金は100万円くらいの
お金を持参し、
そのお金で株を買うことを
邱さんは薦めておられうるとのことでした。

当時、私は36歳でしたが、妻から
“私たちもそろそろ自分の家を持つ時期に
来ているのではありませんか”と脅され、
ています。

やむを得ず、にわか貯金を始めたばかりの
時期で、台湾に持参するお金など全くありません。
また残業続きで、土曜か日曜のどちらかは
休日出勤で
仕事をしていましたから、
海の向こうに旅する時間なども全くありません。

ということで、台湾株の購入はお話を聞くにとどまり
ましたが、たまたま、邱さんの事務所には
台湾の会社の概要を紹介する小冊子を
販売していましたので、記念にそれを買って、
事務所を去り、会社に向かいました。

こう経緯から、私は台湾に格別の関心と
興味を持ち続けてきましたが、
当地を訪れる機会を持たないまま
年月が過ぎてしまいました。

これではいけないと思い、
今回、ようやく台湾を訪れることができました。

私にとりましては念願の台湾訪問です。
短い旅でしたが、台北と台南を旅し、
楽しいことが色々ありました。

本日から、数回に亘り、今回の台湾旅行の
体験を連載させていただきます。

私は教育学者の齋藤孝さんが
ビジネスパーソン向けに書かれた著作が、
仕事に必要なスキル(能力)を高めることに
役立つと考え、81日から12月末までかけて
「齋藤孝さんに学ぶ仕事力向上セミナー」を
開催することを企画しました。

このため、ここ一ヶ月ばかりは齋藤孝さんの
教育思想の骨格をご紹介してきましたが、
このセミナーでは斉藤さんの著作を教材として使います。

その教材の数はできるだけ抑えるつもりでしたが、
結局26冊となりました。
本音を言うと、このほかにも教材として
加えたい本が10冊ほどありますが、
それらは興味が湧くに従って、
読まれるようになるだろうと考えることにしました。

さて、斉藤さんの著作がカバーする
”仕事力”の範囲は
たいそう、広いので
今回のセミナーを通して、
仕事の段取りを立てるとか、企画する力、
また自分の考えをまとめて書くとか、人前で
話すとかのコミュニケーションの力が高まると思います。

またやる気が高まるし、創意工夫力が向上し、
部下や同僚に対する指導力も磨かれといった

効用が期待されます。

こうした狙いをもつセミナーですが、
呼応してくださる方が現れるかどうかは
未知数でした。

友人の中から数名の方が
「戸田さんがだいぶ、力を入れてみたいだから、
参加してみるかな」と考え、参加くださることになりました。

おかげで、目論見通り、81日から
齋藤孝さんの著作を教材にして、
”仕事力”の向上を図るセミナーを
約半年かけて展開することが決まりました。

従いまして私はこれから年末まで
友人たちのご期待に応えられるよう
このセミナーの運営に力を注いで行きます。

前々回のコラムでふれましたが
齋藤孝さんは「上達の普遍的な論理」について
基礎的な3つの力を技にして活用しながら、
自分のスタイルを作り上げていくということだと
述べておられます。

そして齋藤さんは「スタイル」について
次のように書いておられます。
「自分の得意技を自分で認識し、
それをトータルにコーディネートしていく。
その原理、工夫を支えるのがスタイルという概念である。
自分のスタイルを練り上げていくこと。

このことは、単に何かが上手になること以上に、
人生において重要な意味を持つ。
上達の秘訣は、スタイルに対する意識を育てることである。

自分のスタイルを実感できると、
自分の生を肯定できやすくなる。

自分の得意技を磨き、自分の得意技を磨き、
自分のトータルなスタイルを表現できることによって、
自分の存在感を十分に味わうことができる。

『上達の秘訣』は、この生の充実感を味わうための
いわば梯子(はしご)である。」
(『「できる人」はどこが違うのか」)

含蓄の深い文章ですね。
実際に得意技を磨いてから再読したら、
の言葉の意味をより深く理解できるのではないかと
思うような文章ですが、私たちも得意技を磨いて
ここに述べられている「自分のスタイル」を
作り上げたいものですね。

第1082回 上達を支えるものは“あこがれ”
で「上達を下から支えるものがあこがれだ」という
齋藤孝さんの考えを紹介しました。

齋藤さんは次のように書いています
「上達を根底から支えるものは「あこがれ」である。
これがなければ、上達に勢いがつかないし、
そもそも上達することの喜びが生まれない。

藤子不二雄が手塚治虫にあこがれたように
あこがれが根底にあれば、上達の意欲は湧き続ける。
『あこがれ』や『志』のスケールが器の大きさだとも言える。」
(『「できる人」はどこがちがうのか』)

一方、齋藤さんはこうも言っています。
「ただ『あこがれ』ているだけで、
夢見ている状態に留まっているだけでは、
人生の大きな充足感は得られません。

小さなことでもいい。
それを通して、三つの基礎的な力を鍛え、
別のことをやる場合にそれを活かす練習をする。
こうしたことの積み重ねを通じて、
三つの基礎的な力自体が技として磨かれてくる。」
(同上)

私はこの齋藤さんの提言に大賛成です。
私はいま齋藤さんの著作にふれ、
勉強させていただいているところですが、
自分の中に無意識のうちに蓄積されたものに、
齋藤さんが設定された「段取り力」や
「要約力」・「質問力」・「コメント力」という
という視点から光を当てると、
「基礎的な力」がしっかりと
意識されていないことに気づきます。

ただ、幸いなことに齋藤さんは
それぞれの「力」のを強化するための
メニューを提供してくださっていて、
これらのメニューを消化していると、
着実に「力」がつき、「上達のコツ」を
会得したと言えるかもしれないと考えています。

齋藤孝さんは「21世紀において人間が身につけるべき
基礎的な力」として
①「技や方法をまねる〈盗む〉力」
② 段取りを作る「段取り力」
③「要約力」とか「質問力」を含む「コメント力」
という「三つの力」を設定されました。

これら三つの力について、
齋藤さんが、ある受験指導会社からの
インタビューの中で、説明されていますので
その要点を抜粋させていただきます。

『「まねる・盗む力」とは、技を見抜いて
ポイントを盗み、自分のものにしていく
ことができる力のことです。

「段取り力」とは周りの動きを予測しながら、
自分の動きを段取ったり、上達するための練習メニューを
組み立てたりする力です。

「段取り力」を鍛えるには、
一つは、個々の準備を逆算して練習メニューを考えさせること。
もう一つは、完成品からそのプロセスを見抜かせること。
また、段取りの1、2というふうに、
手順をメモさせることも大事です。

学習に関して言えば、学習計画を書かせてみる。
最初は無理な計画や的外れな内容を書くかもしれません。
しかし、反復練習のプロセスを通じて
「段取り力」は鍛えられていきます。

受験という目標に向けて、
自分で勉強のスケジュールを立てて実行していく力は、
段取りの意識の訓練となり、将来、どのような仕事をするにしても
普遍的な力となるはずです。

「コメント力(要約力・質問力)」とは、
的確なコメントや質問をすることで
コミュニケーションを活性化させる力のこと)です。
これら3つの力はいずれも、
各教科を横に貫くものであり、
学校と家庭と社会的な仕事を地続きにするものです。

本当に大切なのは社会に出てから。
しかし、社会に出てからこれらの力を身につけようとしても、
今の時代は遅すぎます。
中学生の段階から、家庭でも
社会や将来を意識した力の訓練を始めておくことが
求められているのではないでしょうか。』

このインタビューでは中学生向けに説明されていますが、
勉強も仕事も上達の原理は共通していますので
ビジネスパーソンや家庭の主婦は、
仕事の進め方や家庭生活の経営に照らして
この三つの力を考えると良いですね。

なお、齋藤さんは著書の中で
「まねる・盗む力」は「からだ次元」で
「身体的想像力を鍛える技化の意識」、
「段取り力」は「活動次元」で
「生活での活動,場をつくる力,動ける体づくり,時間配分する力」、
「コメント力」は「ことば次元」で「母国語を鍛える能力」
という説明を加えられています。

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