桑田勇三さんが昭和34年の時点で
成長増加株を選ぶ基準として挙げたのは
A過去10年間配当を持続し増資したもの
B 株主だけ増資の割り当てをなすもの
C 成長株であること
D 好況に向かう業種であること
の4つです。
個々の基準について
桑田さんがコメントを加えています。
まず「A過去10年間配当を持続し増資したもの」
についは次のように解説されています。
「事業会社の最悪期に欠損がでることは
止むをえないが、しかし日ごろの利益の蓄積さえあれば、
それによって、当期の損失は補填され、
また準備金をくずして配当を安定することができる。
(中略)過去において2期、3期と無配を行った会社は
どうしても優良会社としての安定性がないと見るべきで、
推奨できないものである。
だから安定し配当(たとえ低率でも)と増資が正常に、
しかも株主本位で行われる会社を選択すべことである。
次は2つ目の基準である
続いて「B 株主だけ増資の割り当てをなすもの」
については、桑田さんは次のように解説です。
「会社の資本と資産は、
その会社の株主のものであるから、
株主優先主義であるのは当然で、
資金の必要があるときは、増資によって、
これを株主に仰ぐべきである。
縁故割当や公募によって、資金を吸収することは、
株主を第二義的にみたもので、
株主尊重の建前に反する」