2007年11月

ベトナムの証券市場に上場している
通信・電線ケーブルの製造会社は
次の2社です。

1)サコム通信ケーブル株式会社
(Cables an Telecommunicaitons Material
Joint Stock Company)
(SAM)
主な活動は通信ケーブル・銅線ケーブル製造、
通信ケーブル輸出など。
同社ケーブルの約90%が
郵政通信公社用ケーブルとなり、
通信用銅線ケーブル分野では
国内シェアの約40%を占めています。

2)ベトナム大亞(タヤ)電線株式会社
(Taya (Vietnam) Electric wire and Cable Joint-Stock Company )
(TYA)(ケーブル製造 )
前身は92年に設立のベトソンミン有限会社。
その後、外国資本100%(台湾TAYAグループ)の
初上場企業となりました。

各種電線・ケーブルの製造が主な活動で、
04年には業界4位となりました。
市場は主に国内で輸出率は9%前後です。

この二つの会社の株価と
外人保有比率は次の通りです。
1)サコム通信ケーブル株式会社:149.0;44.13%
2)ベトナム大亞(タヤ)電線株式会社:33.9:47.49%

ベトナムの街の中を通ると

何本もの電線がたわみながら

引かれている光景を見かけます。

この国ではさぞかし

ケーブルの需要が高いだろと想像すますが、

一昨年の718に発信された次の報道は

ベトナムが電線・電気ケーブルの

輸出国であることを伝えています。

「商業省によると、

2005年の電線・電気ケーブルの輸出額は

前年比34%増の52,000万米ドル(約590億円)だった。

20012005年の5年間の総輸出額は

15億米ドル(約1,700億円)で、

同期間の前年比増加率は平均35%だった。

同省では、輸出額について

今後5年間は年平均31%増加し、

2010年には20億米ドル(約2,300億円)に

達すると予想している。

現在ベトナムでは約100社の企業が

電線・電気ケーブルの生産・輸出に携わっている。

外資系では、

ベトナム大亞電線株式会社(タヤ・ベトナム)[TYA

フルカワ・オートモーティブ・パーツ・ベトナム社、

スミハネル社、

ニッセイ・エレクトリック・ベトナム社、

ヤザキ・ハイフォン社などの

外資100%企業または合弁企業、

国内では

ベトナム・エレクトリック・ワイヤー・アンド・ケーブル社

CADIVI)などが参加している。 

この報道のなかで紹介されている会社のうち

フルカワ・オートモーティブ・パーツ・ベトナム社は

古河電気工業株式会社の関係会社、

ニッセイ・エレクトリック・ベトナム社は

日星電気(本社・

静岡県浜松市

)の関係会社、

ヤザキ・ハイフォン社は矢崎総業の関係会社です。

日系の会社がベトナムのケーブルの輸出に

大きく貢献していることがわかります。

ベトナムで生活することになった場合に
どういう電気製品を使うと便利であるか、
それらを買うにはどういう店に行くと良いかを
紹介したサイト(ベトナム生活倶楽部/電気製品)
があります。

そのサイトに紹介されている製品の
メーカーを挙げると次の通りです。

1)テレビ

・SAMSUNG(韓国 サムソン) ・SONY(ソニー)
・TDA ・LG (韓国LG電子) ・TOSHIBA(東芝)
・SANYO(三洋)・Panasonic(松下)

2)洗濯機

・TOSHIBA(東芝);SANYO(三洋);Panasonic(松下)

3)エアコン

・SAMSUNG(東芝)・HITACHI(日立)
・Reetech(ベトナム・リー冷蔵電気工業)

4)冷蔵庫
・SANYO・TOSHIBA(東芝)・Panasonic(松下)

日本と韓国のメーカーがずらりと並んでいますが、
「エアコン」のところで、挙がっている「Reetech」は
ベトナムを代表する電気製品メーカー、
「リー冷蔵電気工業」(REE)
(Refrigeration Electrical Engineering Corporation)
の製品で、この会社のエアコン、家電製品には
「Reetech」というブランド名がつけられています。

この「リー冷蔵電気工業」(REE)は
前身は国営冷蔵機械製造工場。
主にクーラー、冷蔵庫、空調設備の製造を手がけ、
空調設備製造では市場シェアの40%前後、
冷蔵設備分野でもシェアの30%前後を占めています。

この会社の株価は142.0。
外人保有比率は限度一杯の49.00%
(11月17日)で、内外から高く
評価されていることがわかります。

かつて、日本が高い成長を続けていた時代、
鉄鋼と並んで、造船が活況を呈していましたが、
ベトナムの造船業はどういう状況にあるのだろうか
という関心が生まれてきました。

そんな関心に対し、今年9月5日、
ベトナム国営通信が発信した次の報道は
ベトナムにおける造船業の実情と向かう方向を
伝えてくれ、とても参考になりました。

「2007年6月19日、
ビナシン社(ベトナムの造船産業公団)は
ベトナムで初めて、積載トン数5万3,000トンの船舶を建造、
イギリスのGraig Investment 社に引き渡した。

この事実は、ベトナム造船産業の世界進出にとって、
画期的な出来事であり、同社ファム・タイン・ビン会長は、
同産業の展望を『これまでになく明るい状況にある』と語る。

現在、同社は計60億米ドルにのぼる造船の発注を受けており、
さらにそのうち、40億米ドル以上が輸出契約であるという。
また、同社が今年7月に発行した社債3兆ドン分
(約1億8,750万米ドル)への購入申し込みが
倍率3倍となったことから、同社をはじめ、
ベトナム造船産業への注目は急速に高まっていると考えられる。

なお、同社では、2010年までに国内生産率を
60%以上にする計画を立てており、
2015年までにはベトナムを世界第4位の
造船強国にするとの目標を掲げている。

だがその一方、ベトナム造船産業の国内生産率はまだ低く、
原材料と機械設備をほとんど輸入に頼っていることから、
目標達成には、同分野裾野産業の開発が急務と考えられる。」

私なりにベトナムの造船業について
想像をめぐらしていましたが、
イギリスからの注文をこなしているとか
世界4位の造船大国を目指しているなど
私の想像を大きく越えるものです。

今のベトナムには造船会社で
上場している会社はありませんが、
いずれ登場することでしょう。
楽しみです。

ベトナムの証券市場に上場されている
アルミ製品の生産関連の会社は1社だけです。
トゥンクアン工業株式会社
(Tung Kuang Industrial Joint Stock Company )
(TKU)という会社です。

この会社は1995年に台湾資本により
ドンナイ省の第2ビエンホア工業団地内に設立され、
各種のアルミニウム製品を生産しています。

“ベトナム株情報”のコメントによれば、
この会社はドンナイとハイズンに工場があり、
工業用・一般用アルミニウムバーが75%、
輸出用合金アルミを含む各種アルミ製品が15%、
アルミ製品の加工7~10%です。

このうちアルミニウムバー生産量は、
ベトナムにおける生産量の30~40%を占めていて、
国内においてはトゥンシン(Tung Shing)アルミ社が
唯一のライバル会社です。

またトゥンクアン社が、資本金の80%を出資している
トゥンヤン(Tung Yang)有限会社は
トゥンクアン社の製品を原材料として使用し、
アルミ製のドアと一般用アルミニウムバーを生産し
これらの製品は約半分が輸出され、
主たる向け先は日本です。

ちなみにトゥンクアン工業株式会社 (TKU)の
株価は29.6、 外人保有率は限度一杯の49%です。

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