2007年02月

ベトナムに行く前、
証券口座を設けようとする人たちから
私に2つの質問が寄せられました。

一つは今回、ベトナムで口座をひらくわけですが、
株を買うためのお金を振り込むため
銀行口座も開く必要があるのではないか、
というものです

もう一つはベトナムの株を買うためのお金を
いくら持っていけば良いのかという質問でした。

この2つの質問のうち、一つ目の質問に対して
私は証券口座開設の作業の中には、
銀行口座の開設も含まれていると伝えました。

口座設定手続きをガイドする書類を見ると
現時で作成する書類の中に
証券口座の開設のための書類と一緒に
銀行口座の開設のための書類も含まれていたからです。

またもう一つの質問に対しては、
銀行口座が出来るまで数日かかり、
当日、銀行口座への入金は出来ないので
投資のための資金をベトナムに持ち込む
必要ありませんと答えました。

私自身、初めて体験することで、
断言するには多少、ためらいもありましたが
いろいろ調べ、こう答えて大丈夫だろうと思って
答えたのですが、実際にやってみて、
私の回答に間違いはなかったとがわかりました。

私たちがホーチミンでBSC証券の口座を作るとき、
サインした書類の中には銀行口座を開設するための書類があり、
私達は銀行に出向きくことはありませんでしたが、
BSC証券のスタッフが、銀行に出向いて
銀行口座開設の作業を代行してくれるとのことでした。

また私たちがベトナムで証券口座開設の手続きをしてから
株を買うのに必要な「証券取引番号」というものが
自分の所に届くまでには、3週間から1ヶ月くらい
かかるとのことで、実際にベトナムの株を買えるのは
それからだということがはっきりしました。

前回書いた考え方にもとづき、
私のセミナーに参加いただいた方々には
BSC証券で口座を作っていただきました。
今回はその時の作業の流れをお伝えします。

まず、ガイドさんがバスで
BSC証券の入っているビル案内してくれます。
エレベータに乗って、降りたフロアーが証券会社です。

会議室のような部屋に案内され、
そこには楕円形の大きなテーブルがあり、
そこに各人座りました。

すると、証券会社の営業担当の方が顔を出し、
流暢な日本語で挨拶をし、各人用にあらかじめ用意された
書類が配られました。

各人、こういうところにこういうことを
記入してくださいという見本があり、
その見本に従って、自分の名前とか
住所とかパスポートナンバーとかを
記入していきます。

記入することは単純なことばかりですが、
似たような書類に同じことを何枚を記入します。

そして証券会社に向けた書類とか
銀行に向けた書類に必要事項を記入した後は、
株を買う場合とか、売る場合の伝票にサインだけ
記入します。ベトナムでは売り買いの作業がまだ
コンピュータで処理されず、手書きで行われていますので
いずれ、自分が株を買ったり、売ったりする場合にそなえ
伝票にサインしておくのです。

こうした作業を終えたあと、
次は日本国ホーチミン領事館に向かいします。
領事館といっても普通の会社の事務所と同じように
ビルの一階にありますが、そこで必要書類を書いて
これで証券口座の申請作業は完了です。
銀行口座の申請作業は証券会社の人が
代行してくれるとのことで、銀行に
出向くことはありませんでした。」

こうした作業を約1ヵ月あとに
証券取引ができるような書類が
各人のところに送られ、実際の投資を
行えるようになるということでした。

前回書きましたように、ベトナム株を手に入れるには
ベトナムの証券口座開設が必要です。

いまベトナムには14の証券会社がありますが、
私たちが開設できる証券会社は一つの会社の口座だけになっています。
ですから、私たちにはどこの証券会社の口座を持つのがいいのか
を決めることが必要になります。

さて、私たち日本人が外国の証券会社を選ぶ場合
相手の会社に日本語が話せる人がいて、
私たちが日本語で用件が伝えられるとても便利です。

ベトナムの14の証券会社のなかで、日本語が話せるスタッフが
居る会社はサイゴン証券かBSC証券に限られます。

従って、このうちのどちらかを選ぶことになりますが、
サイゴン証券は民営、一方BSC証券は国営です。
民営より国営のほうが良いというのが私たちの常識ですから
日本人はサイゴン証券を選んでいる人が多いようです。
私も最初はサイゴン証券がいいかなと思いました。

しかし、サイゴン証券は口座を設定人に
毎月15ドルの口座維持料を支払わせています。
サイゴン証券は証券市場に上場すいている会社の株の
仲介だけでなく、未公開株の売買(OTC)(注)と
政府放出株オークションの参加(IPO)も
取り扱うので、その特典の見返りとして
毎月15ドルを徴収しているのかもしれません。

しかし、この口座維持料の毎月の支払いが私は気になります。
株が上がっている時は口座維持料も
さして負担にはならないかも知れませんが、
株は成長国の株であっても、値を下げることはしょっちゅうあり
そういう時も、口座維持のためのお金を払うとなると、
ストレスを感じることになるように思います。

また未公開株の売買(OTC)や政府放出株のオークションの参加(IPO)
の特典があるといっても、普段はなれた場所にいる私たちが
機敏に対応できるかという疑問もありますし、株のチャンスは
そうした一過性に限られるものではあります。

そこで、私は自分が口座を開設する証券会社としては
日本語での対応が可能で、また口座維持の費用がない
BSC証券にすることにし、私のセミナーに参加して、
口座を開設される方々にもその考えを伝え,
BSC証券での口座設定を薦めました。

(注)未公開株の売買(OTC)とは未公開株を売りたい人と
買いたい人が相対取引をすること。

ベトナムはこれから大きく経済を発展させていく
ことが期待される地域なので、その経発展にあやかるため、
ベトナムの証券市場に上場している会社の株を
手に入れたいという人が増えてきました。

このように、ベトナムの会社の株を手に入れようと思う人が
どうしても踏まなければならない手続きがあります。
ベトナムの証券会社の口座を設けるということです。

中国株を手に入れようとする場合は、
東洋証券とか、内藤証券とか、藍沢証券など
日本国内の証券会社で口座を持つだけで十分です。
これらの会社が、中国株の売買の仲介を行っていますので
そうした証券会社に口座を持ち、買いたい株を申し込めば
手に入れることができます。

しかし、ベトナムの株については、今のところ、
日本の証券会社で、ベトナムの会社の売買を
仲介する会社がありません。
そのため、ベトナムの会社の株を手に入れようと思えば
ベトナムの証券会社に口座を設ける必要があるといういことです。

この口座の開設には二つの方法があります。
一つは日本国内で開くことです。
ベトナムまで行かず、日本国内に居て
ベトナムの会社の口座を設ける方法です。

もう一つは、ベトナムに行き、ベトナムの証券会社に
出向いて口座をひらくことです。

日本国内で開ければ、旅費もかからず簡単です。
ですが、ベトナムの証券会社と連絡を取りながら
手続きを進める必要があり、結構手続きが面倒です。

一方、ベトナムの現地に向かえば、旅費はかかりますが、
ベトナムの実情を実感し、また口座を設ける証券会社の
オフィスに入り、担当者のスタッフと応答しながら
口座開設の作業を進めることができ、手続きも短時間で
行うことができます。

私のセミナーに参加して、現地で口座を開くことにされた方々は
後者の道を選ばれたということです。

今、ベトナムは経済を発展させていますが、
他国と比べてどういうレベルにあるのかは
関心のあるところです。

本に書かれていたことですが、
ベトナムの実情に詳しい中年の日本人は
今のベトナムは東京オリンピックの頃の
日本を思い出させるとのことです。

東京オリンピックといえば、
その頃はその頃、大学4年生で
翌年の昭和40年に会社に入りしました。

その頃の日本の会社の初任給は
2万円程度でしたから,今のベトナムは
その頃の日本に似ているのかもしれません。

今回のセミナーには、私より10年遅れて
昭和50年に印刷機械を作る会社に入り、
その機械を売るため、台湾、タイ、中国、
インドなどアジアの各地で、営業活動を
続けておられる方が参加されました。

その方は会社に入って3、4年たった
昭和53、54年ごろ、初めてタイを訪れましたが、
いまのベトナムはその頃のタイに
たいへん似ているとおっしゃいます。

また、今回のセミナーには4、5年前に
ホーチミンを訪れられた方も参加されましたが、
その方は当時と比べると、
空港の施設が改善され
街の中を動く人たちのなかで
民族衣装のアオザイを着ている人が
激減したとおっしゃいました。

こうした印象や感想をまとめると、
ベトナムは高度経済成長の入り口に立ち、
これから日増しに大きく変化していくだろうと
いうことで、ベトナムはこれから大きく
変化していくのだろうな戸の印象を持ちました。

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