2007年01月

本多静六さんは慶応2年(1866年)に生まれ
昭和27年(1952年)に86歳でお亡くなりになりました。
沢山の著書を残されていますので、
本多さんのことを研究しようと思えば、
研究材料には事欠かないと思います。

しかし、私たちはお互い、それぞれ忙しいので
あれこれの本を読む時間がありません。
そんな私たちに本多静六さんを短い時間で
身近に感じさせてくれる本があります。

上智大学の渡部昇一さんが平成12年に刊行された
『財運はこうしてつかめ』です。
この本の題名だけみると、理財の教科書のように
見えますが、内容は本多静六さんの伝記です。

優れた業績を挙げた人の生涯は
とても面白いものですが、この渡部さんが描く
本多さんの伝記『財運はこうしてつかめ』も
読み出したら、止まらない種類の本です。

実はこの本も私はずっと前に買っていて
ツンドク状態になっていました。
先日、私なりの本多静六研究の一環として
読み、あまりに面白く、この楽しみを友人にも
伝えたくなり、自分の人生を充実させたいと
前向きに生きておられる後輩の友人に贈りました。

考えてみれば私の場合、本多静六さんの存在を
30年近く前に教えてくださったのが渡部昇一さんです。
この渡部さんのおかげで、短い時間に本多静六さんの
素晴らしい生涯を伝えていただきました。

ちなみに、邱永漢さんの半自伝『私の金儲け自伝』の
文庫版で解説を担当されたのも渡部昇一さんです。

前々回、1988年(昭和53年)に出版された
本多静六著『人生設計の秘訣』という本を
自分の書斎の本棚で見つけたと書きました。

そして、前回、この本は1951年(昭和26年)に
書かれた『人生計画の立て方』の内容を収録するもので、
2年前の2005年に,この『人生計画の立て方』が
再販されたと書きました。

実は私はこの2005年に発行された
『人生計画の立て方』も買っていて、
いつか読もうと思って
書斎の机に置いていましたら、
妻がこの本を手にとって読んだようです。

妻はところどころにポストイットを貼り付け、
そこに小さな字でメモをつけています。
先日、この本の感想を聞くと、
彼女はこの本はとても良い本だといいます。

「人生、いかに生きるのがいいのか」
ということが書かれていて、
息子にも読ませたいとも言います。

息子は大阪に住んでいます。
「なら大阪に送ろうか」
「そうですね」
と会話が進みました。

本多静六さんの『人生計画の立て方』は
書かれてから85年たっています。
この本を読んで、息子にも読ませたいという
人間がいます。

私はかつて、邱永漢さんがお書きなった
『人生後半の経済設計』を読みました。
この本に収録されたエッセイ(原題『年をとならない法」)も
最初に書かれてからかなりの年数がたっていましたが
私はこのエッセイから強い刺激を受けました。

数十年たっても、強い刺激を受ける有益な本、
これが古典というものなのでしょうね。

本多静六著『人生設計の秘訣』は
1988年(昭和53年)に出版された本です。
この本は1951年(昭和26年)に発行された
『人生計画の立て方』を中心に、
新稿を加えたものです。

さて、本多さんは1886年生まれですから、
『人生計画の立て方』という本は
86歳の時に書かれたものであることがわかります。

2年前の2005年に,この本多さんの
『人生計画の立て方』が再販されましたが、
1951年(昭和26年)の時点で本多さんは
『人生計画の立て方』のまえがきで
次のような文章をお書きになっています。

「(前略)正しい科学的人生観に立脚した『人生計画』は、
吾人がそれぞれ一代の人生を築く上に、
必要欠くべからざる設計図である。

設計図なくしては、いかに老練な建築家も
立派な家を造ることができないと同様に、
まず『人生計画』を樹てることなくして、
何人も完全な意義ある人生を築き上げることは難しい。

まことに、『人生計画』こそは、人生充実の至福生活を
もたらするただ1つの指針であるといわなければならぬ。

私の『人生計画』は私の体験と確信の所産である。
正しくは私一個にのみ通用するものであろう。
これをそのまま他の人の『人生計画』となし得るか
どうかははなはだ疑問である。

しかしながら、私の乏しきをもって築き上げた
『人生計画』も、今後における時代の推移を考え、
各人各自の性格と環境に適応して、
諸君が諸君の『人生計画』を樹てらる上に、
なんらかの参考になるものと確信している。」

自分の人生を充実させるためには
「人生計画」というものが欠かせない
ことが力強い言葉で書かれています。

私は「人生設計」をテーマにしたセミナーを
ときどき開催していますので、「人生設計」を
テーマにした最近の著作には一通り目を通し、
役に立ちそうな本は集め、時々読むようにしています。

「人生設計」をテーマにした良い本が発行されていますが、
先日のことを、書斎の本棚に並んだ本を整理していたら、
『人生設計の秘訣』(実業之日本社刊)
という古い本が並んでいることに気づきました。
著者は、1866(慶応2)年生まれ。
1952年(昭和27年)に逝去された本多静六さんです。

『人生設計の秘訣』の帯には次のように書かれています。
「貧窮の一学生から、東大教授・林学博士の地位にまで
のぼった巨人・本多静六博士の成功のウラには、
緻密な人生計画があった。
自己の人生計画を忠実に実行、ついに巨万の富と栄誉を
勝ち得た博士が、体験にもとづいて、後進のために説いた、
人生設計の立て方の手引きが本書である。
幸福な人生、成功を望む人の良き伴侶となろう」

この本と一緒に同じ著者による『わが処世の秘訣』と
『健康長寿の秘訣』が本棚に並んでいましたが、
自分の本棚に人生設計に関した古い時代の著作が
並んでいることに、いささか驚きました。

どうして、こういう本を手に入れたかと言いますと、
30年ほど前のことになりますが、
渡部昇一さんが『続・知的生活の方法』で
本多静六さんのことを伝えられたからです。
本多さんは貧乏学生から東大の先生になり、
大きな財産をつくっただけでなく、
築き上げた財産をぽんと寄付しています。

「へえ、こういう人がおられたのか」と、驚き、
本多静六さんのことを勉強しようと思って
当時、復刻されていた本を手にいれたというわけです。

それにしても、今の時点で改めて
この本多さんの『人生設計の秘訣』を手にとり、
「幸福な人生、成功を望む人の良き伴侶となる
人生設計の立て方の手引き書」という帯に
書かれた言葉を読むと、この本は再読する必要が
あるという思いが深くなります。

私の勉強活動の原点は「人生設計セミナー」です。
2003年の9月に20名くらいの方々に
お集まりいただいてはじまりました。

私がセミナーのタイトルに「人生設計」という言葉を
使ったのは、邱永漢さんがお書きになった
『人生後半のための経済設計』という本の
「経済設計」という言葉にヒントを得てのことです。

この『人生後半のための経済設計』は
邱さんの2回目の全集「Qブックス」(全25冊)
の一冊として1983年出版されました。

私は1943年生まれで、
この本と出会ったとき
たまたま私は40歳でした。

本の帯に「老後の準備は40歳から」とあり
本を開いたら3章建てで、第3章が
「40歳からの生き方、考え方」とありました。

これは自分にピッタリの本だと思って
買ったことを覚えています。

でもこの「40歳からの生き方、考え方」
という作品は、その頃かかれた作品ではなく
1967年、邱さんご自身が42歳の頃、
産経新聞にお書きになっていた
「年をとらない法」でした。

この作品は生命力が長く
『お金の値打ち』続いて
『新お金の値打ち』という本に掲載され、
『人生後半のための経済設計』という本は
3度目の本だったのです。

ということは、「年をとらない法」つまり
「40歳からの生き方、考え方」は
とても寿命の長い作品だということです。

で、この作品にどういうことが書かれているかを
一言で言えば、「未来に目を向けて生きる」という
生き方の推奨です。
過ぎ去ったことをあれこれ考えるより
これからのことに目を向けていきましょう
という未来志向の考え方です。
81歳の邱さんの中に脈々と流れいる
人生態度ですね。

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