2006年12月

この3日間、先月、上海で行われた国際博覧会に
県下の18の環境関連企業の出展に立ち会ってきた
友人との交流をお伝えしてきました。

友人は先日、私へのメールで
来年の出展に向けての取り組みの状況を
次のように伝えてくださいました。

「出展いただいた企業のアンケートをとりまとめていくうちに、
今回の出展に足りなかったものが見えてきました。
それは「広報・PR」です。

勝手のわからない外国でのPRなど、
まずできっこないと中国のカウンターパートナーに
まかせっきりでした。
しかし現場に出向くと、約束どおりには事は運んでおらず、
企業の方々に迷惑をかけた面がありました。

そこで、何とかこちらでもできることはないかと思案していたところ、
中国ではインターネットの普及が著しく、
結構多くの人々がネットで様々な情報を得ていることを知りました。

今、中国のサイトにバナー広告を貼って、
中国語の企業紹介をしようと取り組んでいます。
中国のパートナーからは、
バナー広告を無料で貼らしてくれると言ってくれ、
すぐにリンクするので、リンク先を連絡してくださいと言われています。

このあたりのスピードは、中国は本当にあっという間です。
とにかく速いです。正直いって、日本の行政とは
スピードが徒歩と新幹線くらいの差があると感じています。

というところで、現在中国語のホームページの作成と
バナー広告の貼り付けに取り組んでいます。
次から次へとやるべきことがでてくるのは、楽しいですね。
前向きにやっていると、皆、協力的に対応してくれるので
楽しさが増します。足りないのは、私の語学力です。
こちらもぼちぼちとあせらずにがんばります。」

常々、動くことが大切で、動けば次の課題が見えてくると
思っていますが、友人のメールはそのことを具体的に
示してくださっているように思いご紹介させていただきました。

さて、今年もいよいよ最後になりました。
多くの方々のご激励やご支援をいただき、
この戸田ゼミ通信の活動を続けることができました。
深く御礼申し上げます。

来年はまた新しい気持ちで毎日コラムを発信し、
またセミナー活動や邱永漢作品のPRに
チャレンジしていきたいと思います。
引き続きのご支援、ご指導をよろしくお願いします。

それでは皆様、良いお年をお迎えください。

上海で日本の中小の環境関連企業の
出展のお世話をしてきた友人が
私に送ってくださったメールの続きです。

「中国の人たちは技術はタダだと思っています。
それから、コピーの問題ですね。
今回の出展でも、会期中に成約があり、
表面上はめでたしめでたしなのです。

しかしこの成約の話を知った
中国人のスタッフは私に耳打ちしました。
『展示会に出展されている商品の
中古品をほしいというというような話は
たいへん危ない。私なら絶対に売らない』と

仕方なく、私は中国人スタッフから
聞いた話をそのまま、出展している
会社の人に伝えました。

結局、この話は出展している日本の会社が
中国の会社に売ることになりましたが、
なかなか中国は大変です。

商品や技術を売るお手伝いをしに
上海に来たのに、売るなと
言わなければならないのですから。

日本人の普通の感覚では、
つきあいたくないというのが
正直なところでしょう。

さて、今日テレビで放映された、
水質浄化技術を売り込む
日本人の奮闘も、その次に
何が起こるのか、考えさせられます。

今の状態がいつまでも続くものでも
ないだろうとも期待していますが。」

このメールをいただき、
私は次のように返事しました。
「対中ビジネスは一筋縄ではいかということを
改めて感じさせていただきました。
でも、いついつまでも
こういう状態が続くとも思えません。

邱永漢先生はよく言われます
『今はダメでもいつまでもダメではない』と。
また『世の中はよい方向に
動いていくと考えている』ともおしゃいます。

そういえば私が働いていた
八幡製鉄所が立地する北九州市の洞海湾は
かつては死の海といわれました。
でも今は蘇りました。
大都市東京を横断する隅田川にはかつては
腐臭が漂っていました。
この河も今は綺麗になりましたね。

いつかは事情は変わると期待して、
来年も引き続き頑張ってください。」

そうしたら、また友人から次のような
返事が送られてきました。
「今日のテレビの番組を見終わった後、
たくさんの日本企業が虎の山に続々と入っている
ということを再認識しました。
次回も、虎に食われないよう頑張ります」と。
友人の引き続いてのご努力を願うばかりです。

前回、 中部地区の自治体で活躍する友人が
県下の環境関連企業18社を誘って、上海での
国際展覧会に参加した時の様子を伝える
メールをいただいことを紹介しました。

そのメールをいただいたのは、ちょうど
「ガイアの夜明け」と題するテレビ番組が、
中国で進行して公害問題を紹介する
直前のことでした。

私は友人の上海での出展のご努力に
労いの言葉を送った後、その番組を見ました。

テレビの報道番組が伝えたことの1つは、
中国の工業地帯で川の水の汚染が進行して、
近隣住民から多くの苦情が寄せられていることや、
北京のテーマパークでも水の汚れが進み
パークの関係者が手を挙げていることでした。

番組は、あわせて、そうした問題の
解決のため水質浄化技術を売り込む日本の
企業の売り込みの様子を伝えました。

私はこの番組を見て、
中国の汚染された河川の状況は、
私たちもかつて見た風景だと思い、
また日本の会社が持っている公害除去技術は
ハイレベルのものだという印象を持ちました。

そうした感想にふけっていましたら、
中部地区で活躍する件の友人から
テレビの報道を見た印象を伝える
メールが届きました。

「今晩のガイアの夜明けは私も拝見しました。
環境技術への需要はものすごくあるのです。
上海に出展した県下の企業のなかでも、
バクテリアで分解させるという技術を
提案した会社がありました。

引く手はあまたあるのですが、
試験ばかりをさせられて
なかなか採用とはいかないそうです。

まだまだ環境にお金を投資していく素地は
中国にはほとんどありません。
邱永漢先生がよくおっしゃられる通りです。」

友人は、続いて中国では
技術にお金を指すという観念がないと指摘しました。
このことについては次回でご紹介します。

人民元の対ドルレートが上昇一途の中国において
今、公害問題が深刻になり、それへの対応が
迫られています。

私の友人に中部地区の自治体で働いている
人がいますが、この方は自治体のなかで
中国に関心を持つ同僚たちと語り合い、
自治体として、環境対策関連の事業を
行っている企業に働きかけ、上海で開催される
「中国国際工業博覧会」に出展することを
自主的に企画されました。

幸い、その企画が自治体のなかで了承され、
また県下の中小企業を中心に環境関連企業18社が
趣旨に賛同して、出展することが決まり、
友人は出展会のお世話で上海に出張しました。

出展が終了し、帰国後の事務整理が
片付いたところで、友人は展覧会の様子を
次のように伝えてくださいました。

「環境というキーワードは、中国ではやはり旬です。
初めての出展であったにもかわらず、
私たちの出展は関心の的になりました。
中国中央電視台を含む地元マスコミ10社から
取材を受けるなどうれしい悲鳴の忙しさでした。

今回の事業は、職員提案で行ったもので、
来年以降の継続は危ぶまれていましたが、
一緒に同行していただいた自治体のトップも
大変喜び、来年の実施もほぼ決定しました。
やれやれです。思い入れのある仕事が
できるのは、幸せだと実感しました。」

友人は以前から中国の発展に関心を持ち
中国と絆を持つため、ご自身で中国の会社の株を
お持ちになっています。

しかし今回は仕事を通して、中国と
かかわりを持つことができたわけで、
メールの文面にはその喜びが溢れていました。

いま中国人民元の対ドル相場は上昇の一途を辿っています。

ご承知の通り、人民元は、昨年の7月21日、
中国人民銀行(中央銀行)が1ドル=8.2765元から
8.11元へと、約2%の切り上げを行い、
同時に固定相場制から前日比0.3%までの
変動とする管理フロート制へ移行しました。

それから1年半たった12月22日、
人民元の対ドル相場は7.8151元と
切り上げ後の最高値を記録しました。

昨年7月21日の切り上げ前の
1ドル当たりで8.2765元から7.8151元へと、
額にして約0.46元、率にして5,9%の
上昇が進みました。

いま米国は対中貿易赤字が拡大していて
中国の人民元の上昇を強く迫っています。
例えば、米国を代表するポールソン米財務長官は
12月の初旬、CNBCテレビのインタビューで
人民元相場について
「短期的に一段と柔軟化させる必要がある」
「あまりに調整に長い時間がかかることは、
他国に許容されないだろう」と、
中国が為替制度改革を急ぐことを求めたとのことです。

また12月中旬中国を訪問した米連邦準備制度理事会
(FRB)のバーナンキ議長は北京で講演し、
「人民元相場のさらなる上昇が効果的な金融政策を生み、
中国経済の成長と安定を高める」と語り、
人民元改革へ対中圧力を強めるポールソン米財務長官らと
足並みをそろえた形だと新聞は報道しています。

為替相場は政治家レベルの駆け引きだけで
決まるものではありませんが、人民元相場が
今後どう動いていくかは、中国の経済発展に
大きな影響を与えることですから、
中国の経済に関心をもつものにとっては
目を離せない経済指標の一つです。

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