2006年10月

ベトナム株がこれまでどのような推移をたどり、
今はどういう局面にあるのかを見ましょう。

前回見たようにベトナムの証券市場は
2000年から取引を開始しましたが、
全体の株価の推移を示すものは
ベトナムVN指数とよばれています。

2000年7月28日を基準日とし、
その日の時価総額を100として
算出されています。
さてこのVN指数の動きのなかで
これまで二つの山をつくられてきました。

1つ目の山は2001年です。

ホーチミン取引所が開設されてから
1年たってからのことですが、
上場会社が2つしかないところに
ベトナム人も外国人も買いに走り、
指数は急ピッチで上昇し
571.4ポイントまで上がりました。
その後ベトナム政府が市場を冷やす対策を講じ
指数は急落しました。

二つ目の山は2006年です。

いま書いたように指数は
2001年に急落しその後長く低迷を続け
2003年10月に130.9ポイントにまで
下がりました。
この年の11月に外国投資家枠が
20%から30%に拡大されるとか
外国投資家が参入するとか
ファンドの設定が続くなどで
指数は上昇トレンドに転換しました。

そして2005年9月に
外国投資家枠が30%から49%にまで拡大され
また2006年1月に大型株のビナミルクが
上場して時価総額が倍増し、指数は
300ポイント前半から600ポイント台まで急騰しました。

そのあと、調整局面に入り、
10月30日時点で指数は512.4になっています。
ベトナム株の指数は山谷を経験しながら、
開設時から6年たったいま、5倍になっているわけです。

ベトナムの経済発展に伴う不動産や株の動きに
関心が向きますが、誰もが取り組みやすい
株式投資の環境がどうなっているのか見ましょう。

現在、ベトナムには2つの証券取引所があります。
1つはホーチミン証券取引所です。
2000年に上場会社2社で発足しまし、
今年の8月現在で48社の会社が上場しています。
この取引所は時価総額が10億ドルを
越える程度の小さな取引所です。

もう1つはハノイ証券取引所です。
首都ハノイに中小企業向けの市場として
2005年に開設され、現在16社が上場しています。
この証券取引所はホーチミン証券取引所に比べ
さらに小さい取引所です。

さて、このうちホーチミン証券取引所で
上場されている銘柄のうち、代表的な銘柄は
ビナミルクという乳業メーカーと
サコムバンクという商業銀行です。

ビナミルクはVUMと標記されていて
株価は8万1500ドンです。
サコムバンクはSTBと標記されていて、
株価は6万1000ドンです。

ドンとはベトナムの通貨単位のことで
現在、1ドル=16070ドン。
1ドル=119.67円として
1円=134.28ドンとなります。

ということで株価を円で表せば
ビナミルク株は607円、
サコムバンク株は455円です。

最低取引単位が10株ですので
ビナミルクは6,070円、
サコムバンクは4,552円で
買えることになります。
1万円あれば買えるというのが
ベトナム株の魅力の1つです。

今はアジアの時代だといわれていますが
このアジアで経済成長の先頭を切ったのは
ほかならぬ日本です。
そして、日本で経済成長とともに起こったことは
不動産が値上がり、株も上がったということです。

日本ではある時期、その商品が外国jによく売れ
国内にお金が集まりすぎて、バブルが起こり、
その反動で、地価も株価も大きく下落するということが
ありましたが、不動産も株も昭和30年だとか、
40年代と比べたら格段に高くなっています。

この日本のあとを追って経済を発展させた
台湾や韓国でも、経済が発展することによって
土地があがり、株もあがるということを体験しています。

そして台湾を先頭に日本や韓国は、
国内では人件費も地価も高くなったので、
中国に進出し、中国で生産活動を行うことに
力を入れるようになっていますが、この中国でも
不動産が高くなり、株も高くなっています。

経済成長の過程では、行き過ぎがあり
それを警戒して成長のアクセルを踏むことがあり、
都度中国では地価も株価も値を下げることがありますが。
10年前と比べたら、上海や北京の不動産は高くなり、
会社の株も値を上げてきていると言えると思います。

こうしたアジアにおける、各国の体験を考えれば、
経済が成長すると、その地域では不動産が上昇し、
会社の株も上がるということが、経験則として
言えそうです。

もし、そうだとすれば、ベトナムでも
同じようなことが起こるのではないかと
今後の発展に期待をかけたくなります。

ベトナムにずいぶん多くの日本の
会社が進出しています。
日本と同じように台湾や韓国や
タイやシンガポールなどからの進出も
活発ですが、どうして、多くの外国企業が
ベトナムに進出しているのでしょうか。

中国ばかりに一極集中的に投資をしていると
何かが起こったときに危ういというリスクを
軽減しておきたいという考えが
働いているとは思います。

でも根底にはベトナムの人たちは
よく働くということが広く認識されている
からではないでしょうか。

以前、ナイキ社の社外取締役をしていた
大前研一さんはベトナムの人たちの
勤勉性について次のように語っておられます。
「ベトナムの優位性は国民が勤勉であることだ。
この点では中国をしのぐ。
私がかつて社外取締役を務めていたナイキ社では、
ベトナムで大きな委託生産を行っているが、
人材のレベルが高く、製品の質も非常に優れている。

ベトナムの現在の人件費は月45ドルほどで、
月100ドルの中国の半分という水準だが、
非常に勉強熱心で、5ドル程度の給料アップの
インセンティブを与えるだけで、懸命に学び、
英語やパソコン操作を身につけるために
仕事が終わると自転車で塾に通うほどだ。」
(『大前研一の新・産業革命』)

このようにベトナムの人たちが勤勉であることは
多くの人たちによって語られているところです。
そうしたベトナムに日本をはじめ、海外から
資本と進んだ生産技術が運ばれているのですから、
ベトナムのこれからの経済には期待を寄せても
良いように思います。

優れた労働資源のあるとこで
工業化が盛んになり、富の増殖が
図られていくからです。

これまで2回にわたって
ベトナムに進出し、生産活動を行っている
日本の会社をご紹介しました。
しかし、ベトナムに進出している会社は
紹介した会社に止まるものではありません。

実に多くの分野で日本の会社がベトナムで
生産活動を行っています。

水産では日本水産、ニチレイ。

食料品では味の素、加ト吉、明治乳業。

繊維ではワコール、グンゼ。

紙では王子製紙。

化学では花王、冨士写真フィルム、
コニカミノルタ住友ベークライト。

医薬品では大塚製薬、協和発酵大正製薬、
久光製薬、ロート製薬。

ガラス、土石製品では
日本板硝子、TOTO。

機械分野では石川島播磨重工業、
住友重機械工業、日立造船、三菱重工、
村田機械 サトー、JUKI。

電気機器ではキャノン、シャープ、ソニー、
東芝、日本電産、日本ビクター、松下電器産業、
松下電工、マブチモーター、ヤマハ、リコー、エンプラス。

輸送用機器ではいすず スズキ、トヨタ自動車、
三菱自動車、本田技研、デンソー、豊田紡織、豊田合成、
矢崎総業ヤマハ発動機、NOK、日本ケーブルシステム。

精密工業製品ではキヤノン、ニコン、リコー、
HOYA、東北リズム工業 、日本電産コパルなど。
その他、コクヨや三菱鉛筆も進出。

進出していない会社の方が
少ないのではないかと
思われるくらいの進出ぶりです。

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