2006年03月

後半の人生を迎えた人にとって
これからの人生をどう送っていたら良いかは
とても重要なテーマです。
このテーマについて邱永漢さんは
先日来から紹介している
『私は77歳で死にたい』で
次のように述べておられます。

「私の場合、若い時から
自分の好きなように生きてきたし、
自分の仕事は自分で切り開いてきたので、
年をとってからも
ライフスタイルを変える必要に
迫られないですんでいる。

定年制のある仕事に
従事していない代わりに、
自分がやめたくなければ
いつでもやめられる立場に置かれている。

しかし、それでもあとの残り時間が
勘定のできるところまでくると、
残り時間をどう使うかを
真剣に取り組まざるを得なくなった」。

と言って、平成4年、68歳の時、
邱さんははご自身の本拠を東京から
香港に移したことにふれ、
次のようにお書きになっています。
「人によっては、第一線から隠遁して
余生を送る年齢だろうし、また別の人にとっては、
第二の人生をスタートさせる時期でもある。
たまたま私の場合は、
『賭ける人生』に慣れてきたので、
最後のバクチ場を大陸に移して
『集大成』と言えばカッコはよいが、
『1つの締めくくり』にしたいと
思っただけのことである。

人生の最後の4分の1を自分の選択において
生きるという点では他の人々の選択と
本質的に大きな違いはない。
やりたいことをやり、
悔いをあとに遺さないためなら、
それが道楽であれ、仕事であれ、
『終わりよければすべてよし』
につながっていくのである。」
(『私は77歳で死にたい』1993年)

この文章にある
「『終わりよければすべてよし』に
つながっていく生き方」
という考え方は心に深く響きます。
私などにとっても参考になる考え方です。
これからの人生のあり方を
考える上で1つのヒントになるのです。

今日は邱永漢さんの82歳の誕生日です。
3月に入って早々に、今年も
誕生会のご招待状をいただきました。
もう「ハイハイQさんQさんデス」の連載も
終えたあとなので、感激もひとしおでした。

ところがあいにくと、この日は前から
九州のある会社に出向き、数日にわたって
「問題解決」の講師をつとめることになっていて
残念ながら出席できません。

そのことを妻と次女に話すと
2人は口を揃えて、邱さんの誕生日の前日、
東京の事務所にカードとお祝いの品を
お届けするのが良いとアドバイスしました。

それはいい考えと、アドバイスに
従うことにしました。

35,6歳の頃、人生に不安を感じた頃
時代の流れにマッチした理財の方法を
伝授ださったのは邱さんです。

また後半の人生を考える際に
お金も大切だけどそれ以上に
仕事を持つことが大切であると
教えてくださったのも邱さんです。

そしていまこういうHPを発行し、
多くの方々と楽しめているのも
邱さんのおかげです。

また「人間やる気になれば、
これくらいまで出来るのだ」
というお手本を目の前で
見せていただいているのが
邱さんです。

そうした邱さんへの感謝の気持ちをこめ
カードに次のように書きました。

「邱永漢先生

お誕生日おめでとうございます

先生が予告されたアジアの時代が
到来しつつあります
この流れをより確実なものとするため
また各地でのニュービジネス前進のため
更にご一層のご活躍を願っております

若い世代の中から
先生の新しいファンがたくさん誕生しています
お陰様で、そうした人たちとの
交流を楽しませていただいています
先生からの毎日のメッセージを
大いなるヒントにして
交流を深めていく所存です

ご健康にくれぐれもご留意いただき
益々ご活躍くださいませ

平成18年3月吉日  戸田敦也」

長年、邱永漢さんに私淑してきた
愛読者の一人からのお祝いの言葉です。
こういうお祝いの言葉をお送りすることが
できる喜びをかみしめなつつ
万年筆を走らせました。

邱永漢さんは14年前に書かれた
『私は77歳で死にたい』で
定年後、つまり60歳からの生き方について
趣味に生きるものいいし、
かねてからやりたいと
思っている仕事を始めるのも良く、
とにかく「やりたいようにやり、
やりたい仕事をやればよい」
とお書きになっています。

そして「これから老人もふえることだし、
老人のベンチャー・ビジネスもふえることだろう。
そういう老人のベンチャー・ビジネスに反対ではない。」
ともおっしゃり、その理由について
次のように書いておられます。

「たとえば長い間会社勤めだけやって、
自分の採算で仕事をやったことのない人が、
定年になって新しい仕事に手を出したのでは
失敗の可能性が大きい、と考える人がある。
しかし、年寄りは若者よりは経験を積んでいるから、
若者よりは何事にかけても、慎重である。
そういう人が事業に手を出す時は
少なくとも若者よりはソロバンがしっかりしている。
営業のプランを立てる時だって、
売上げは少なめに、経費は多めに、
当面、利益があがらなくとも
やっていけるような資金計画を立てているはずである。
だから私の知っている範囲内でも
六十の手習いから始めた手づくりのパン屋や植木屋で
見事に成功している例がたくさんある。」
(『私は77歳で死にたい』)

どんなベンチャー・ビジネスが考えられるのか
私の周辺には、研修の講師になった人くらいしか
見当たらないのですが、たとえば私について言えば
ご覧の通り、自分の人生の充実に関心を
持っておられる人たちに呼びかけ、
人生設計とか、株の投資や不動産投資など
理財設計についての勉強会を開いています。

また同好の人たちと一緒に
発展著しい中国の各地で
セミナーを開いたりしています。
こういうことをやってきて、
自分のやっているのは仕事というより、
道楽のようなものに近いと感じています。

ただ人生上の問題は個々人の
心の奥底にふれることですから、
交流が始まれば、その後も
交流が続くことが多く、ときに
感謝されることもあります。

そうなるとより楽しくなり、
いろいろ工夫するようになりますから
手をとめることはできません。
これからも続けていきたいと考えています。

前に『戸田ゼミ・転職ネット』を
立ち上げるつもりだと書きました。

私はいつも掲示板はセミナーに参加してくださった
若い人に立ち上げていただき、
管理人の仕事もお願いしています。

今回は、整体師を希望している青年の
弟さんにお願いすることにしました。
この弟さんはお兄さんと一緒に
昨年末、私の家にきていただき
一緒に勉強しました。

その後も2回ばかりお会して
一緒に勉強しています。
そうした交流のなか、
弟さんは、ご自身の将来に
夢あるいは希望のようなものをお持ちで、
人生プランニングに関心をもっています。
また好奇心が旺盛で行動的です。

付き合ってみて楽しい人なので
面倒くさい作業をお願いしました。
その一方で、HPのタイトルについて
私の考えが変わりました。
「転職」は当事者にとっては
決断のいる大仕事です。
が、それはある目的を達成するための
手段ではないかという考えが浮かんできたのです。

転職の目的とは、生活の糧となるものを
得たいということのほかに、「心の満足」とか
「生きがい」が得られるといったことがあり、
物質的に豊かになっている今の時代では
「心の満足」とか「生きがい」とかのウエイトが
高くなっているように思えます。

そこで、『戸田ゼミ・転職ネット』に代えて
『戸田ゼミ・生きがいネット』とすることにし、
その方が長続きするのではないかと考えました。

こうして、『戸田ゼミ・生きがいネット』が
誕生しました。
この掲示板は転職に頭を痛めている人と
交流したいという素朴な願いから始まったことや、
一身上の機密にふれることでもあるので、
私のセミナーに参加された方々で
且つ参加を希望される人たちの間で
楽しんでいただこうと考えています。

私は昨日の誕生日の朝を
楽しく迎えることができました。
そのわけは誕生日の早朝に
1つのメールが届いたたからです。

メールを送ってくださったのは
先日から紹介している整体師志望の青年です。
青年はちょうどその日、
私の友人から「この先生こそ
従事するにふさわしい先生です」
と紹介していただいた整体師に
面談に行くのです。

面談に向かうにあたり、青年は
腕のいい先生を紹介していただいた
私の友人と私あてに感謝の気持ちを
伝えてきたのです。

また文面には、これからの努力次第で、
人様に感謝される職業に出会える
かもしれないという期待と喜びが
あふれています。

こういうときは、何でもいいから
激励になる言葉がいいと思い、

「今日は多分、あなたにとって
よき日になると思います。
なぜなら私の誕生日だからです。
私はわりに運がいい人間ですから、
あなたは幸運をつかまれることに
なると思います。(笑)」
と占い師めいた言葉を書き送りました。

でも青年の方向は間違っていません。
最近のこと、邱永漢さんが以前、
転職、独立を志す人たちに向けて
書かれた『途中下車でも生きられる』
という本を再読したのですが、
「腕ひとつで人生はグンと面白くなる」
という章で次のように書かれています。

「カメラマン、デザイナーなどのあとをついで、
料理、マッサージ師、陶器などの職人の地位が
作家や、弁護士や医師の地位に近づこうとしている」

邱さんご推奨の職業にちゃんと、
マッサージ師が載っているのです。
これから腕のいい整体師を目指して
一本道を走ることを願うばかりです。

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