2005年11月

いまから3年ほど前に
マイカー時代が到来すると、
高速道路株に陽が当たるのではないかと
邱さんは推理し、見事に的中しました。

続いて、邱さんは、車に乗る人が増えると
人は損害が起こったとき対策を考え、
損害保険に加入する人が増えるので
損害保険の会社に陽が当たるのではないかと
推理するようになりました。

中国で損害保険の仕事をしている大手の会社は
人民財産保険(H株2328)です。
この会社は企業向け、一般家庭向けに
それぞれに自動車保険、火災保険、運送保険を
取り扱っていて、傷害保険、医療保険にも進出しています。
2003年11月に香港上場し、これを機に、
米国の企業向け損害保険、生命保険でも
トップクラスであるAIG
(アメリカン・インターナショナル・グループ)
が資本に参加し、業務提携が結ばれ
このことによってシステムの近代化が
図られることが期待されます。

また、邱さんは、生活が段々豊かになっているので、
自分の命が損なわれた場合のことを心配するようになり、
生命保険に加入する人も増えるので
生命保険を担当する会社に陽が当たるのではないかと
推理するようになりました。

中国で生命保険の仕事をする大手の会社は
中国人寿保険(H株2628)です。

こうして、中国の保険業界の雄である
人民財産保険や人寿保険に注目がつめられるように
なりました。両社とも2003年12月に香港市場に上場し、
以来株価は下落気味ですが、経済が発展し、
国民の生活も豊かになれば、法人や個人が
保険にかけるお金は膨大になりますから、
生保や損保の会社が時とともに優良な会社に
なっていくように思われます。

経済が発展したら国民生活が豊かになり
マイカー時代がやってきます。
一番手っ取り早いのは
自動車業界で主役になる
メーカーに投資することですが、
どこがチャンピオンになるのか、
見当がつきかねところがあります。

ただ自動車がふえていくことは間違いないので、
道路を走る車がふえるにつれ、
投資がほぼ完了した「高速道路」の業績が
向上するようになるのではないかと
邱さんは3前に「高速道路」株を推奨しました。

「高速道路」株としては
上海と南京を結ぶ「江蘇高速道路」(H株0177)
上海と広州を結ぶ「浙江高速道路」(H株0576)
深センと広州を結ぶ「深セン高速道路」(H株0548)
安徽省合肥市を中心とする「安徽高速道路」(H株0995)
などがありますが、これかの株価の動きを見ると、
例外なく時間の経過ととともに、
なだらかなカーブを描きながら
株価を上げてきたことがわかります。
推理は見事に的中していますね。

ちなみに中国での自動車の生産台数や
販売台数はどのように動いてきているのでしょうか。
富士経済の調べによると、中国においては
自動車の生産台数は
2002年 313万台
2003年 444万台(前年比41%増)
2004年 521万台(前年比17%増)
と増え、米国、日本、ドイツに次ぎ、
世界第四位となっています。

また自動車の販売台数も
2,002年 325万台
2,003年 439万台(前年比35%増)
2,004年 515万台(前年比17%増)
と増え、米国、日本に次ぐ世界第3位になっています。

いま中国は自動車の生産や販売の面でも
大国になりつつことがわかります。

中国でのマイカーブームの動向に
関心が寄せられますが、中国には
自動車会社としてどういう会社があるのでしょうか。

アメリカにおけるビッグスリーに相当する会社として、
深センA株の一汽集団
(フォルクスワーゲン、フォードと提携)
上海A株の東風汽車
(プジョー・シトロエン・グループ、ルノー・日産グループと提携)
上海A株上海汽車
(フォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズと提携)
があります。ですが、いずれもA株ですから
私たちには買えません。

それに対して私たちが買える株は次の会社です。
1)重慶長安汽車 (チョウアンキシャ;深センB株 200625)
(日本のスズキ、アメリカのフォードと提携し、
軽自動車とトラックの生産で中国国内一位)
2)江鈴汽車 (ジャンリンキシャ;深センB株200550)
(日本のいすゞとアメリカのフォードと提携し、
軽トラック、ピックアップ・トラックを中心に生産)
3)華晨中国汽車 (ブリリアンスチャイナ;香港レッド1114)
(マイクロバスの生産で中国国内第一位)
4)駿威汽車(デンウエイ・モーターズ;香港レッド0203)
(日本のホンダと広州本田を折半で設立。乗用車生産)
5)慶鈴汽車 (チンリンモーター;香港H株1122)
(いすゞ自動車と合弁関係にある軽乗用車メーカー)
6)長城汽車 (グレートウォールモーター;香港H株2333)
(ピックアップトラックやSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル))
7)中国航空科技工業(アビチャイナ;香港H株 2357:)
(軽自動車・エコノミーカー)
8)吉利汽車 (ジーリーキシャ;メインボード0175)
(乗用車生産)

これらの会社の株価の動きを見ると、
ほとんどの会社の株が、平成4年の秋口から
下がっています。
「冴えない動きになって、株をやる人で
自動車株に近寄る人はほとんどいません」
と邱さんがおっしゃった意味がよくわかります。

その背景には業績低迷があり、その要因として
政府のマクロ経済調整(金融引き締め)、
自動車ローンの引き締め、ガソリン価格の高騰、
消費者の買い控え、自動車価格の軟化
といったことがあげられています。

ですが、その後の邱さんは、自動車株の株価も
底を打ったのではないかとおっしゃっています。
私の周辺でも駿威汽車(デンウエイ・モーターズ)
を買い、その後の低落に心を痛めている方が
多いので、株価の戻りが期待されるところです。

今年、1月、香港でセミナーを開いた際、
先立って、深センを訪れました。
邱さんが深センの街の全貌を眺め、
本拠を東京から香港に移すことを
決意されたという丘に登ったあと、
私と妻は友人と一緒にタクシーに乗り
蛇口というところまで
高速道路を突っ走りました。

その道幅の広いこと、また道路を
行き来する車の多いのと速いのに
私の妻はビックリし
「お父さん、中国の株を買うのなら
自動車の株ですね」と口走りました。

ふだん株のことは全く口にしない妻が
予期せぬ話を口にしたので驚き
そのことを当時連載中の
「ハイハイQさんQさんデス」の
連載コーナーに書きました。

すると、邱さんのお目にとまり、邱さんは
次のようにお書きになりました。
「『お知恵拝借』のページを担当されている
戸田敦也さんがはじめて深を訪問して、
予期していたこととは言え、
とてもびっくりされている光景を
読ませていただきました。(中略)

深センの町の中を走る
おびただしい数の自動車を見て、
戸田さんの奥さんが、
『自動車の株を買ったらいいわね』
とおっしゃっているのをきいて、
私は思わず失笑してしまいました。

いま中国では1年に500万台も新車がふえています。
車ができすぎてメーカー同士の投げ売りが始まり、
昨年の秋口から自動車株は
冴えない動きになってしまいました。
ですから株をやる人で
自動車株に近寄る人はほとんどおりませんが、
それでも1年に2割や3割は生産はふえ続けます。
もし中国で日本並みに
自動車の保有台数がふえたとしたら、
8億台の自動車が大陸じゅうを走りまわる日は
そんなに遠い先のことではありません。

したがって、長期投資の目で見たら、
戸田さんの奥さんの言うことが正しいのですが、
いまの中国でサイコロを
自動車というところに振る人は
ほとんどいないのです。
ここに投資と投機の違いがはっきりと見えます。」
(第1829回「投資と投機はこんなに違います」)

今年の3月のことですが、
これは一体どういうことだろうかと思い、
私は邱さんの文章に何度も目を通しました。

中国ではコンテナを使って
輸送する海運の仕事が増え、
コンテナをつくる会社も、
コンテナ・クレーンをつくる会社も
またコンテナの荷降ろしをする会社も盛況です。

コンテナをつくる上場会社として
深センB株の「中国国際コンテナ」
(チュウゴクコクサイコンテナ 200039)
がありますが、この会社は
コンテナ製造の分野で世界最大手です。

またコンテナ・クレーンを製造に当たっている
上場会社が上海B株の上海振華港口機械
(シンカコウコウキカイ 900947)です。
この会社も港湾クレーンの分野で
世界でトップクラスの会社です。

またコンテナの荷降ろしをする
港湾サービスを提供している上場会社として
深センB株の「深セン赤湾港航」
(チーワンワーフ 200022)があります。

これら各社の前年比(前年に対して増加割合、%)の
推移を見ましょう。

「中国国際コンテナ」 -14.4(2002年)46.9(2003年)249.9(2004年)
「上海振華港口機械」-28.5(2002年)102.7(2003年) 64.5(2004年)
「深セン赤湾港航」  111.5(2002年)71.6 (2003年) 70.6(2004年)

仕事が年々着実に増えていることがわかります。
配当について2004年の実績を見てみましょう。

「中国国際コンテナ」  1株配0.5元;1:0.5(無償)
「上海振華港口機械」 1配当0.2;1:0.5(無償)
「深セン赤湾港航」   1配当0.647:1:0.3(無償)

「中国国際コンテナ」について言うと、
0,5元の配当があるほかに、株数が
1,5倍になることを意味しています。
まるで成長期にはこうやって株が
増えていくのですよとという見本を
見せてくれるようです。

コンテナのメーカーや
港湾設備のメーカーや
港湾サービス提供会社など、
コンテナや港湾関連の会社の
株主への処遇のレベルも
並ではありません。

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