83歳の誕生を迎えたパーティでのスピーチで
邱永漢さんは、いま活動の舞台としている
中国について次のように話されました。

「私は今を去る19年前(昭和63年)に
中国大が大きく発展するだろうことを予見し、
14年前(平成5年)から中国大陸で
事業を展開するようになりました。
いま中国はその頃思い描いたように
発展を遂げるようになりました。

去る2月末に、中国で株が下落し、
それに続いて世界の各地で株が下がり、
中国が問題の震源地となったような
指摘もありましたが、時間が経ってみると、
連鎖的な下落の原因は中国ではなく、
アメリカにおける経済の膨張にあったことが
ハッキリしてきました。」

続いて、邱さんはこれから中国で
起こるであろうことについて次のように話されました。
「中国はこの2月、貿易黒字が史上最高の
237億ドルを記録しました。
毎月膨大な黒字を続け、外貨がどんどん増えているのですが、
通貨があふれだすという過剰流動性
《中国では流動性過剰というが》にどう対処するかが
当局にとって頭の痛い問題になっています。

日本では過剰集流動性への対応に失敗を重ね
この18年もの間、鳴かず飛ばずの時期を過ごしましたが
これから中国では、日本が経済が発展する過程で
経験したのと同じことが起こる可能性があります。

昔、渋谷の青山の表通りの土地は
坪当たり50万円で高いと感じました。
それが100万円になってビックリしましたが
その後300万円になり、また驚きました。
そうしたら300万円が1000万円になり、
ついには1000万円が1億円になりました。
これと同じようなことが中国で起ころうとしています。
ですから中国の株が一時的に下がったからと言って
心配する必要はさらさらないのです。」

邱さんは大局的な見地から、これからの中国において
起こると思われる経済現象についてこのように話されました。