中国に移住した青年が、
「自分なりに街中を観察していますが、
(これからら自分でやれそうな仕事が)
なんだか思いつきません」
とおっしゃり、参考にならないかと思って
邱さんが昭和47年に台湾で事業を展開しようと
考えた時、10年先に伸びそうな仕事を判断する際
参考にしたと言われる三つの物差しを紹介しました。

このうち、三つ目の物差しとして紹介した考えは
邱さんのほかの著書でも見受けられます。
たとえば、昭和57年に発刊された
『食べて儲けて考えて』という本に
「変化の継ぎ目に気をつけよう」という文章が
収録されていますが、この文章のなかで、
邱さんは「先見性」ということに関して、
「感度」という言葉を好んで使っていると言い、
「感度のよしあしは先天性とか頭脳のよしあしと
無関係ではないが、感度をよくしようと意識的に
努力することでかなり違ってくる」と述べています。

そして「感度」を養成する第一の方法が
「できるだけ情報を多く得ること」で
第二の方法は「変化に目をつけること」だと延べ
次のように書いています。
「第二に変化によく気をつけることである。
私たちの生活は、昨日が今日につながり、
今日が明日につながっているので、変化という
突然におこった事件のようなものを連想しがちだが、
変化とは生活環境に起こっているものを指す。

たとえば、トイレット・ペーパーが新聞から
藁(わら)紙へ、藁紙から桜紙へ、
桜紙からいつの間にか巻紙に変わって行くことを云う。
こういう変化の継ぎ目のようなところに
気をつけ手、次はどういう変化が起こることが予見できたら
それは先見性といってよいと思う」
(「変化の継ぎ目に気をつけよう」、
『食べて儲けて考えて』所収)