人は痛い目にあうと
何とか状況を打開する道がないかと、
考えるようになります。

私の場合でいえば、NECの株を買い、
買値の3分の1まで値を下げたところで
初めて株と向き合うようになりました。

その頃、邱永漢さんがお書きになった
『株の目 事業の目』という本を読み、
「株は安いときに買うものです」と書かれていて、
目が覚める思いがしたと前に買きましたが、
これがきっかけになって、邱さんが株について
お書きになっている本で手に入るものは
すべて集めて勉強するようになりました。

その過程で知ったことの一つが
株が値を下げたとき、
その時点でまたその株を買い、
その株の購入に要したコストの平均を
下げるという手があるということです。

いわゆるナンピン買いです。
こういう場面では、株のことはできれば、
忘れたいと思っていますので、その株を
買い増すいうようなことは、思いつきませんが
いずれ値を戻すことがあると考えるなら、
これはなかなかの妙案です。

さて仕入れた知恵は
さっそく活用したいものですが、
株を買い増すお金が
財布の中になければ、
仕入れた知恵も活用できません。