2ヶ月ほど前の5月連休のとき、
私は友人達と一緒に香港と
広東省のシンセン、東莞を訪ねました。

ちょうど香港が返還10年周年を迎える
2ヶ月前のことで、その時10年前に
香港返還の式典が行われた
「香港会展中心」を訪れました。

その最上階の展示場では
中国の少数民族の生活や衣装などを
展示するイベントが行われ、
中国大陸から観光で訪れた
多くの中国人たちが見物していました。

実は私は妻と一緒に
香港がイギリスから中国に
返還される年にも香港を訪れています。

返還式が行われる1ヶ月前のことで
その時は旅行会社が主催する香港ツアーに
参加してのことでした。

バスで香港の名所旧跡を見て回りましたが、
その時流暢な日本語でガイドしてくれたのが、
上海出身で,むかし日本にも住んだことがある
というベテランの女性でした。

彼女は手馴れた話術で
香港の実状をわかりやすく伝えてくれましたが
そうしたガイド中、何度か口にしたのが
香港が中国政府に返還されることへの
不安です。

「こういうこと、もうしばらくしたら
口にすることができないのですが、
私達は中国に返還されることを
とても恐れているんで」と
ガイドさんは胸の内の不安を明かしました。

私はやっぱり香港に住んでいる人たちは
香港が中国政府に返還されることを
恐れているんだと感じました。

それから1ヵ月後に香港が中国に返還され
更に10年の年月がたちました。
私たちは時々香港を訪れているに
過ぎませんが、そういう私たちでも
香港の街を歩くと、この10年の間に
起こっている変化に気づきます。