前回、邱永漢ベストシリーズ版
『私の株式投資必勝法』の「まえがき」
の前半を紹介しました。
今回は後半を紹介します。

「いつの時代にも必ず
初めて株を買う人が現れるものであり、
似たような初歩的な過ちをおかす。

安く買って高く売れば
株で儲かることは自明の理であるけれども、
どんな株のベテランでも、
成長株を買って増資の度に払い込みをし、
幾何級数的に持株をふやしてきた人に敵わない。

だから、何十年かたって
人気株の銘柄がすっかり入れ替わり、
株価の位置が何百円台から何千円台に移っても、
銘柄と値段を入れ替えただけで、
理論はそのまま通用する。

相場の動きに対する人々の反応の仕方も、
また欲の皮の突っ張らせすぎで
失敗したりする愚かさもほとんど変わらない。
おかげで、徳間書店から出した
『邱永漢自選集』の中にも
収録することになった。

20年たってこのトシリーズにも
また収録することになった。
私がこの処女作にこだわるのは、
激しく変化する現象をとりあげても、
原則をとらえれば、生命が長いことを
30年も長持ちしてきた著作を通じて
皆さんに理解してもらいたいためである。
(1992年3月記)」
(邱永漢ベストシリーズ版『私の株式投資必勝法』まえがき)

この「まえがき」にもあるように、
邱さんが最初に書いた株のエッセイには、
今中国株への投資の中で話題になっている
「成長株投資」が株で成功するための要諦として、
指摘されています。
この辺が驚嘆し、深く敬服するところです。