私はかねてから、中国の経済は
北京オリンピックを機として
一段と発展していくと考えてきました。

そう考える、一つの大きな理由は
経済成長期の最中でオリンピックを迎えた
日本が、これを機に、経済を飛躍的に
向上させてきたという事実です。

たまたま、私は東京オリンピックの
翌年の昭和40年に社会人になりましたが
その時の初任給は2万4千円でした。
ちなみに私同じ年に日本銀行に入行した
友人の初任給は2万円でした。

あの頃の給与レベルはその程度のもので
当時、アメリカやヨーロッパの諸国は
自分たちには対等にお付き合いできない
高値の花のような存在に見えたものです。

しかし、今振り返ると、日本の会社は
オリンピックを機として、規模も質も一段と向上させ、
日増しに力をつけて、会社員の給料も
着実に上がっていきました。

そして、いま日本ではだいたい
初任給は21万円くらいになっていますね。

こうした、日本がたどってきた道を
振り返るだけでも、中国の経済はこれから、
更に飛躍していくことが予想されます。

また中国は経済発展の余地を大きく持っています。
たまたま、私は一昨年前、上海から高速道路に乗って
昆山とか蘇州の工業地帯をざっと見てきましたが
その広大さは、私が見てきた北九州工業地帯とか
京浜工業地帯など、とても比較にならないくらいの
も大きなものでした。

私は一つの先進的な地域を見たに過ぎませんが、
中国の経済はこれからだなという印象を受けました。

また中国の人たちが経済的に豊かさを
享受していくのはこれからだと思います。
よくいま中国では富裕層が増えていると言われますが
いまの中国では、自分の家や車を持つ人より
家や車を持たない人の方が圧倒的に多いのでは
ないでしょうか。

ろすれば皆が先進国のレベルに近づいてきたと
感じるにはまだかなりの時間がかかると思います。

また、公害問題一つをとっても、今の中国が
克服すべき経済問題がたくさんありますね。

ですから、中国は北京オリンピックで
一息つくというのではなく、これを機に
経済をさらに発展させる方向に向かって
走り続けると考えています。

私たち外国人にとっては、中国は
投資対象の最有力地域として
最高の価値を持ち続けるゾーンだと思います。