今から18年前のことになりますが、
私はプラッとグラフ社を訪ね、
邱さんのエッセンス本を担当させていただけないかと
お願いしました。
何の紹介もなく、また予約なしの訪問で
応対てくださった方も面食らわれたと思います。
当然のことながら、「それではよろしくお願いします」
といった色よい返事をいただくことにはなりませんでした。
ですが、私がその後、あるところで
邱さんの本を読んで知ったことが
公私両面で役に立ったことを書いたところ、
その文章が邱さんの目にとまり、
私は邱さんの了承をいただいて
邱作品のエッセンス本を
編集させていただくことになりました。
その本の出版を受け入れてくださったのが
グラフ社で私が単独で訪れてから2年後のことです。
以来、私は邱さんのエッセンス本を
4冊も編集させていただき、おまけに
自分の本まで出していただきましたので、
私はグラフ社の方々とは長くお付き合いを
させていただいいます。
今回、邱さんのハイQ本の出版化を
たんとうさせていただくことで、
久しぶりにグラフ社を訪れ、幹部の方と
雑談させていただきました。
戸田:「グラフ社さんは多くの本をおだしになっていますが、
これまで一番多く売れた本を出された作家はどなたですか」
グラフ社の幹部:「邱永漢先生です」
戸田:「やっぱりそうですか。作品の名前は何ですか」
グラフ社の幹部:「『メシの食える経済学』です。」
戸田:「どれくらい売れたのですか」
具体的な数字を伺って、驚きました。
サラリーマンが生涯働いて得る
収入をはるかに超える額でした。
後に、邱さんご自身の口から
と聞かされましたが、そうおっしゃるのも
むべなるかなだと思いました。