フォア・ファット鉄鋼グループの社長は、
今後の課題は何かとの質問に対し、
フォルモッサとの競争を挙げられた。

フォルモッサとは台湾のことで、多分、
台湾の中國鋼鐵51%、新日鉄住金30%、
(住友商事5%、日鉄住金物産5%、その他9%)の
薄板合弁会社(従業員 :約800名)が
昨年11月、営業運転を始めたことを
指しておられるのだと思いました。

このことについては、チャイナ・フォーカスが昨年10月、
次のように伝えています。
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台湾の鉄鋼大手、中国鋼鉄(チャイナスチール、CSC。本社:高雄市)と
日本企業(新日鉄住金)などとの合弁会社、
チャイナ・スチール・スミキン・ベトナム・ジョイント・ストック・カンパニー(CSVC)の
冷延工場の竣工式が14日、ベトナムのホーチミン市郊外で
バリア・ブンタウ省のチャン・ミン・サイン主席など
日台越の関係者を招いて行われた。

鄒若斉CSC会長は合弁企業の設立は
同社にとって東南アジア進出の第一歩であり、
台湾鉄鋼業界の競争力を示すものだとした。 

中国鋼鉄は日本の新日鉄住金、住友商社、日鉄住金物産、
台湾の春源、新光鋼鉄、台プラ河静などの協力支援を得て
11.48億米ドルを共同出資しベトナムにCSVCを設立、
このほど南部のミースワン工業団地に
年間生産能力120万キロの冷延工場が竣工した。
これにより同社生産ラインは全て完成、
自動車や家電の生産などベトナム国内の
ニーズに応え将来はASEAN市場の重要拠点となる。 

竣工式で鄒会長はCSVC発展で
ベトナム鉄鋼業の付加価値が高まり投資増加が進むことを望むとし、
新日鉄住金の友野宏社長も
CSVCが国を越えた文化と価値観の融合の中で
優れた多国籍企業に成長することを期待したいとした。 

CSVCの翁朝棟会長はRCEPとTPPの参加国が
重なる地域に位置するASEAN諸国の重要性を強調、
台湾も“外に出て行く”べきで中国大陸とのECFAだけでは不十分だとした。

また中国鋼鉄と世界第2の規模を誇る新日鉄住金との提携で
日本企業の東南アジア自動車産業に対する大規模投資の土台が築かれたとし、
大陸の李克強首相、日本の安倍首相、韓国の朴槿恵大統領も
就任後相次いでASEANを積極的に訪問していることを挙げ、
中国大陸に続く“世界の工場”になると東南アジアの将来性を指摘、
平均年齢が若く人口の多いベトナムでも今後大きな消費が見込まれると述べた。 

 

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この会社の事業は酸洗鋼板、冷延鋼板、
溶融亜鉛めっき鋼板、電磁鋼板の製造・販売で、
フォアファット鉄鋼グループの事業とは異なり、直接的な
競合関係にはないと思いますが、社長は、広い意味での
競争を意識されているのかもしれません。

私は社長の一言を受け、台湾資本、日本資本も
参入したベトナムにおける鉄鋼生産活動の勃興と
競争の一段の激化を感じました。

 

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