日本経済新聞が、今年6月、標記のタイトルで、
アヤラ・コポレーションの現状と将来方向にるいて
次のような記事を掲載しました。
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19世紀のスペイン統治時代から続く名門財閥で、
「アヤラ」といえばフィリピン経済の代名詞のような存在だった。
ところが経営陣は危機感を強めている。
小売り最大手SMグループや複合企業サンミゲルなどが台頭し、
存在感を増しているからだ。

マニラのビジネス街マカティの大地主であり、
不動産、金融、通信が経営の柱。
スペインの血をひく6代目当主
ハイメ・アウグスト・ゾベル・デ・アヤラ会長は
ハーバード・ビジネススクールで経営学修士号(MBA)を取得、
一族の帝王学を学んだ。
同氏が描く戦略は、電力・交通インフラへの参入だ。

5月に南部ミンダナオ島に総額10億ドル(約1020億円)
の火力発電所を建設すると発表。2017年までに稼働させる。
建設や資材調達で中国の上海電力建設と協力する。
北部ルソン島の風力発電事業へも出資。
発電能力を16年までに100万キロワットに高める。

交通では、官民パートナーシップ(PPP)事業1号案件の
「ダーンハリ・南ルソン高速道の接続道路」建設を受注したほか、
大規模案件である高架鉄道の延伸工事にも入札した。
インフラ分野に16年までに8億ドル(約800億円)を投じる計画だ。

フィリピンは13年に国内総生産(GDP)が7.2%成長。
人口増や経済成長に伴い、インフラ整備の需要はさらに増す。
アヤラ会長は株主向けの声明で
「電力や交通は数年で新たな収益源となり、
我々のビジネスを進展させるだろう」と述べた。
だがインフラは成長著しいSMなどの競合も狙う分野だ。
伝統ある一族が新興勢力に対峙し、成長を取り込めるのか。
180年を経てアヤラの経営は新たな段階に入った。
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