私などが不動産投資に
関心を持ったときは
インフレ基調の時代でした。
インフレの時は、
不動産の値段が上がる一方
借りたお金の値打ちが下がります。

ですから、お金を借りて、
不動産を手に入れることが奨励され、
私などもその考え方に従って
不動産投資を始めました。

でも、経済の流れが急激に変わりました。
上がるばかりと思っていた不動産が下落し、
本業や不動産からの収入が減って、
借金の返済ができなくなる人が続出し、
不動産を手放さざるを得なくなりました

新聞や雑誌はそうしたことを
大きく取り上げてきましたが、
むろん、インフレの時期不動産を手に入れ、
デフレ時代になってからも、
持ち続けている人は大勢います。

このように私たちのまわりで
冷たい風が吹いても、不動産を
持ち続けるられるようにするためには
どんなことに注意したらいいでしょうか。

まずは、不景気になっても
いつでも不動産を借りてくれる
テナントが現れそうな不動産を
手に入れることす。そのため
便利のいい場所に立地する不動産を
選ぶことが望まれます。

また不動産はどんな時代も
私たちの目からみたら高く、
自己資金だけでは不足し、
借金で補うことになりましょうが
借金のレベルを極力抑え、
たとえば月々の返済は、
不動産からの収入でまかなえるようにする
といった慎重さが求められます。

さらにロケーションのいい不動産を
手に入れたとしても、テナントが
すぐには現れないこともありますから、
そういう場合も、あわてないですむよう
例えば半年くらいは持ちこたえられるように
しておくことも必要でしょう。

不動産は時の通り、一旦手に入れたら、
簡単には動かせない財産ですから、
これ以上の慎重さはないくらいの慎重さで
対処してちょうどいいのではないでしょうか。

不動産を選ぶとき
人は何とかそれを手に入れたい
という気持ちでいっぱいで、
その不動産を手放すときがありうる
といったことは念頭にありません。

でも、人を取り巻く環境は
つねに変わっていきます。
状況次第では、気に入って
手に入れた不動産も
手放さなければならなくなる
場合がありえます。

大事なことは、そういうとき
売りに出した不動産に
すぐ買い手がついてくれることです。
ですから、私たちは不動産を手に入れるとき、
手に入れるのに、多少、難しさがあっても、
売りに出したとき、買いたいという人達が
ワッと集まるような不動産に
目をつけることが重要です。

反対に、手に入れるのは
わりに容易だけど、売りに出したとき、
はたして買いに来る人がいるだろうか
心配になるような不動産は
避けたほうがいいように思います。

前回、不動産選びは一目惚れがいい
と書きましたが、一目見て
気に入るような不動産は、
他の人から見ても魅力がありますから
こういう不動産は売りに出したときも
買い手が集まりやすいようです。

マンションを探しに
渋谷の街にでたとき、
妻が道から周囲を見回し、
遠方に見えるマンションを指し
『あのマンションが良い』と言いました

そのマンションまで足を運び
マンションの名前を確認し、
近くの不動産屋さんに入りました。

見てきたばかりのマンションの名前を伝え、
「あのマンションに空室がありますか」
と聞きました。
担当の人が台帳のような大きなファイルを
持ってきて繰り
「空室がいくつかありますよ」
とのことでした。

ローンが組めることを確かめてもらい、
了解が得られたことがわかった時点で
一番小さな一室を買うことにしました。

それから4半世紀の時がたちました。
私も“出世”して、マンションの管理組合の
理事長になり、マンションの事情に
通じるようになったのですが、
そのマンションは、フランスのある有名な
建築家に学んだ人たちが
設計したのだそうです。

そのため、建築上、
かなりの工夫が凝らされていて
毎年4月になると、建築科の学生さんが
大勢見学に来るのだそうで、
そんなところが、かつて、
妻の目をひきつけたのだと思います。

それにしても妻のマンション選びは
電光石火の早業でしたが
のちに邱さんがお書かきになった
『不動産が一番』という本のページをくると
「土地を買うなら一目惚れに限る」
という章がありました。
「なるほど、本当にそうだなあ」
と思ったことでした。

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