株式市場が活況を呈しているときは
株を買うのを控えるのがいいと言いました。
ではどういう時が株を買うのに良いと
考えているのかと言いますと、
株式市場がすっかり低迷して、誰もが
株のことを話したがらないような時です。

株が低迷している時は、だいたい、
どの株も株価が安くなっています。
業績の良くない会社の株だけなく、
良い会社の株も安くなっています。
市場が賑わっていた時の株価のことを
覚えている人から見ると、
こんなにも安くなっているかと
ビックリするくらい値を下げています。

こういうときに、内容の良い会社の株で
安くなっている株を買っておくと、
株が戻り足になってきたとき、
買ったときの株価のⅠ.5倍とか
2倍になるなる場面に出会える
可能性が生まれてきます。

もっとも株価が底面し、
市場に人が寄り付かないような時期に
株を買うのは心もとないことで、
株を買ってみようといった気に
なりにくいことも事実です。

また、いつ株価が息を吹き返すのかは
わからず、相当長い間、待たされる
ことになるかもしれません。
でも、低迷している株式市場も
いつまでもそうした状態を続けるわけでなく、
何かが弾みになって、動き出すときがきます。

一端、市場が賑わいだすと、
こうした動きにつられて、
お金が株式市場の方に向かって動いてきます。
そのため、毎日の出来高が増え
株価があがり続けるようになり、
株価が買ったときの1.5倍とか2倍になる
場面に出会える可能性が生まれてくるのです。

私は、割りに欲深い方で、
1割とか2割とかの儲けでは
儲かったような気持ちにならない方なので
待たされる時期が長くなることは覚悟した上で
株価が低迷したときに株を買うのがいいと
考えているのです。

いま東京証券取引所では
株のブームが起こっています。
これがいつまで続くのかわかりませんが、
こういうときは、株を買いたい気持ちを抑え
相場の動きを眺めておくのがいいと思います。

なぜかというと、
株があがっていることにひかれて株を買うと、
株がいつまでも上がる続けるように思い、
株が値を下げても、いずれ値を戻すだろうと
期待を込めてしまいます。

実際、値を下げたあと、値を戻す場面が
あるかもしれません。
しかし、そういうことを繰り返すうちに、
いつの間にか株価が買値を割ってしまうのです。

それでもまだ、あきらめられず
いずれ戻り基調に転じるだろうと
またまた期待を込めてしまいます。

しかし、事態はそうした期待を裏切り
株価は値を下げ続けるようになるのです。
こうして、自分が買った株が
天井を過ぎ、株価は下がり基調に
転じていることに気づくことになります。

そのことに気づくのは、
実際にそういうこが起こってから
かなり時間がたってからのことです。
こうして自分の手元に、
売りたくても、売れない株、
俗に塩漬株と言われる株を
持ち抱えることになります。

ですから、新聞やテレビが
株のブームを伝えるようになった時に
株を買うことは控えるのがいいと考えます。

いま、東京証券取引所が大賑わいです。
11月9日づけの日経新聞は
一面で「売買高 最高の45億株」
と報じました。
「ネット投資家けん引」
「バブル期の5倍、米市場上回る」
といった見出しも並んでいます。

また昨11月10日の夕刊も
「21年ぶりの高水準
「株売買、個人シェア53%」
1−10月短期取引増映す」
と市場の賑わいを報じています。

こういう記事が新聞で報じられると、
株を持っていない人はそわそわします。
昨日の株価が今日は値を上げ、
明日もまた値を飛ばすように思え
株を買わないと損したような気分になります。
そこで、貯金をおろして株を買う人が増えます。

実際、新聞には株価と平均売買高の動きを
示すグラフが紹介されていますが、
株価が高くなるにつれ一日の売買高が
高くなっていくことが手に取るようにわかります。

こういうときに、うきうきした気分になるのは
すでに日本株を持っている人です。
日本株を持っている人は株が低迷状態から脱して、
目を覚まして、動き出したので、喜び
「株よ、株よ天まであがれ」と
株価が更に値をあげることを願います。

私も少だけ日本の会社の株を持っていますので、
そういう人の心理がよくわかります。
それと喜ぶのは証券会社の人です。
株を売り買いする人のお金が株式市場に向かうと、
証券会社には仲介手数料が入りますので、
証券会社のセールスマンもここが勝負時と、
お客さんに買いを促す言葉を投げかけます。

私も昔だったら、こういう時期になると
じっとでできず、株を買いたいとうずうず
したのではないかと思います。
でも今の私はそうではありません。
こういう時期は株を買う時ではなく、
投資を控えるのが賢明だと考え
じっと市場の動きを眺めています。

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