私が年をとった時への備えとして
ワンルームマンションを買ってから
27年くらいの年が経ちました。

マンションを買うときに、具体的な手引書になる
文章が掲載されたのが
『悪い世の中に生きる知恵』
(日本経済新聞社。昭和54年)です。
この本は昭和58年に発行された
『人生後半のための経済設計』より4年前に発行され、
邱さんはこの本で定期収入を得るためのマンションの条件として
五つの要件を挙げられました。

(1)駅に近い交通至便なところにあること
(2)住居用に建てられたものであっても、
事務所用に転用のできるものであること
(3)事務所にしても住居用にしても、
マンションのある町名が一見、高級そうに響くところにあること、
(4)建物が立派そうに見えること、
(5)建設会社が信用のある会社であること

私は自分が買おうとするマンションが
この5つの条件を満たしているかどうか
チェックし、だいたいかなっていると
思って購入を決意しました。

こうして投資向けのマンションを買いました。
その後、10年ほどたった頃に不動産の価格が
暴騰する”バブルの勃興”があり、
またその4,5年後に”バブルの崩壊不動産”が
激しく値を下げました。

むろん、私のマンションもこの経済の大変動の
影響を受けましたが、さしたる問題もないまま
今に至っています。

その一番の理由は上に述べた条件を
満たすマンションを選んだからだと考えています。
ちなみに、バブルが起こる直前で
邱さんが発行された『不動産が一番』
(実業之日本社。昭和62年12月)には
”買えるマンションの条件”として
(1)ロケーションがよいこと。
(2)あの会社が企画したものなら、まず間違いなかろうと
買い手を安心させる会社が開発して売り出したものであること。
(3)一流の建築会社が工事を請け負ったものであること。
(4)マンションの管理システムがうまくできていること。
の四つがあげられています。
「掃除や修理がいい具合に行われて」マンションがうまく
管理されていることが4つ目の条件として加えられています。

このように整理されてた投資向きマンションの
具備すべき条件は平成17年の今でもそのまま
通用する要件だと感心しています。

邱永漢さんが昭和58年に発刊した
『人生後半のための経済設計』という本で
「40歳からの老後への準備」として
積極的に提唱されたのが、
収入のある不動産を買って、
「定期収入の道を講じる」ことでした。

都心部にある事務所タイプの
マンションを手に入れて、
そこから賃貸収入を得るという
財産づくりです。

お金の工面の方は、
まずお金をためて頭金をつくり、
不足する部分を銀行からかり借り入れ、
これをテコにマンションを手に入れ、
そこから得られる賃料で
銀行からの借入金の返済し、
賃料では不足する部分は
月々の給料から補填すると
いうものです。

そして、晴れて借入金の返済が
完了したら、マンションからの収入が
そのまま自由に使えるわけです。

私が邱さんの文章を読み始めた
昭和54年ごろは、経済がインフレ基調で
現金の値打ちは落ちていく一方
不動産の価格は日々、高くなる一方で、
こうした時代傾向を背景に、邱さんは
うまく借金を取り込んで「定期収入を得る道」を
構築することを提唱されていました。

私は邱さんのこの考え方が納得できましたので
この考え方を指針にして、自分の老後に備える
対策づくりに努めて来ました。

さて、指針としてきた「40歳からの老後への準備」と
出合ったから23年の年月がたとうとしています。
インフレが続き、その延長でバブルが起こり
その後崩壊して経済はデフレ基調に変る
という大きな経済の変更がありましたが、
幸いにして、私などの場合は、さしたる
問題もなくて時間が過ぎ、
最近、ローンの返済も終わり、
マンションからの収入を自由に使える
環境が整ってきました。

「定期収入を得られる道」を講じておくのが
老後対策としてなかなか優れていると実感が深まり
若い友人たちに対し、便利のいい場所にある
小さなマンションを手に入れるおくのがいいよと
アドバイスしています。

邱永漢さんは昭和58年に発刊された
『人生後半のための経済設計』という本の
「40歳からの生き方、考え方」という章で
「40歳からの老後への準備」として
次のことを述べられました。

「年をとったあとのための財産設計は、
まだわかいうちに少しずつ積み上げていくより
ほかないが、その積み上げを何でやるかは問題である。

方法はいろいろあるけれども、手段としては
『現金』、『有価証券』、『不動産』、『身につける技術』の
四つしかない。

右のうちで現金で貯金する人が一番多いが、
現金は目減りが激しいから、実は財産づくりの手段としては
あまり妙味がないのである。

有価証券はその点いわゆる
物的財産といわれ、現金よりましだと考えられているが、
いくら会社が金を儲けても、増配してくれることはめったにないし、
インフレが激しくなると、人件費や間接経費が増大して
ソニーや松下電器の株を買うのならともかく、いっこうに
上がらない株を買った人は、幸福の鍵を握ったことにはならないだろう。

これに対して学問とかおけいこ事とか技術といった『身につく技術』は、
一生人についてまわるものだから、生きた財産設計といえるだろう。
ただ『身につく財産』は、身そのものが年とともに衰えるから、
これまた目になる別の財産に置きかえていかないと駄目になる。

財産価値のあるうちにせっせとかせいで目減りのしない財産、
たとえば不動産のようなものに移し変えておく必要がある。」
『人生後半のための経済設計』

この本が出版されたのが昭和58年でインフレが
時代の傾向であったことを頭に置きながら読む必要がありますが、
財産を積み上げていく手段は4つあるといった記述は
今の時代の若い人たちにも参考になると考え
抜粋させていただきました。

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